「バカ」といっても色々あるのでしょうが、フランス語で「Connerie」、辞書で調べると「愚行」などという訳があります。
つまり知識の量やIQなどには関係なしに、愚かなことをしてしまうという「バカ」なのでしょう。
フランスの心理学者で心理学専門誌(そんなものがあるんだ)の編集長というマルミオン氏がフランスだけにとどまらず各国の心理学者、脳科学者、ジャーナリスト、作家などの「バカ」についての文章をまとめたものです。
心理学者のタルマン博士が書いているのが「知性が高いバカ」
誰もが認めるインテリであっても、「バカ」な行動を取ることがあります。
スティーブ・ジョブズやアルベルト・アインシュタインといった知識と考察の深さが世界に認められ、輝かしい成功を収めた人たちでもとんでもない「バカ」な行動を取りました。
こういった行動は、思慮不足、経験不足、判断ミスなどからもたらされるものではありません。
これは「粗相」と言われ幼子がよくやります。
しかし、それによってとんでもない結果がもたらされることが分かっていてもやってしまうのが「バカ」な行動です。
ビル・クリントンが自らが捜査対象になっていることが分かっていながらモニカ・ルインスキーと「不適切な関係」を持ってしまったのもそのせいです。
社会心理学者サンコウスカ教授が書いているのが「認知バイアスとバカ」
とはいえ、編者から与えられたこの表題は教授は気に入らなかったようで、最初に「認知バイアスとバカは違う」と書いています。
無知はバカとは違うとも言っています。
無知であることを自覚すれば学びの大きな原動力になるからです。
逆に「本当のバカ」とは自らの知性に過剰な自信を抱き、自分の考えに決して疑問を抱きません。
脳研究者のデルフィーヌ・ウディエット氏が書いたのは「夢とバカの関係」
人間の見る「夢」について研究をしているそうです。
しかしこれまで研究者たちが眠っている人を起こして見ている夢について聞いてみても、ほとんどの夢は「ありきたりで月並み」な日常生活であったそうです。
また、試験を受ける前の学生の見る夢は「試験に失敗する」夢であることが多いそうです。
ネガティブな夢を見ることが多く、成功する夢はほとんど見ません。
しかし、受験に失敗する夢を見た学生の方が、実際に受けた試験で合格することが多いということです。
かなり高度な内容も所々にあったのですが、この本はフランスではかなりの売れ行きとなったそうです。