球磨川支流川辺川に建設されるダムは様々な経緯を取り込みながら結局は流水型ダムで建設ということになりました。
それについて、ジャーナリストのまさのあつこさんという方が詳しく説明しています。
jbpress.ismedia.jp川辺川ダムは1966年に最初の計画が作られ建設に向けて進められましたが住民など多くの反対があり本体工事は進まないままとなっていました。
そこに熊本県知事として蒲島郁夫氏が当選し、ダム工事を中止する決定をしました。
しかしダム工事は止めても必要な流域治水工事をするわけでもなく、放置したために令和2年の大水害が起きました。
そしてそれを理由として蒲島前知事はダム工事容認に態度を変え、常時貯水型ではなく流水型ダムを建設するという妥協案で進めることとなりました。
その推進をしている国交省などの姿勢を厳しく批判しているのがこのまさのさんの文章です。
蒲島前知事がダム建設再開に踏み切ったのは令和2年の大水害の被害のためですが、実際には国交省はダム計画にその水害の状況を検討に加えていない疑いがあるということです。
それを入れると今度のダムを建設しても被害が出るのは防げないからではないかという推測です。
とにかく最初の計画の107mのダムが作りたいという思いだけが国交省を動かしているようにしか見えないと。
私もこの問題については何度か書きましたが、あたかもあのダムを作っていさえすればあの大水害の被害は防げたかのような宣伝には辟易しました。
そしてもしも次の集中豪雨が来た時、ダムがあれば大丈夫かのような主張には大きな疑いがあるとも。
球磨川の上流、川辺川にダムを建設してもそれで防げるのはその上流に大量の雨が降った場合のみです。(ただしその場合でもダムの効果には疑いがあります)
人吉から見れば北方の一方向だけしか考えていないというものです。
もしも東方、南方に大量の降雨があればどうなるのか。
川辺川ダムでは役に立たないのは明らかです。
もしも「ダムに頼る治水」をしようとするなら、北、東、南の三方に同様の巨大ダムを作らなければならないのでは。
それでも「人吉市内」に集中豪雨があればダムは役に立ちません。
「ダムを作りたがっている」国交省という言葉は実にその正体を突いているともいえるかもしれません。