小林製薬の紅麹サプリによる健康被害は死者発生も判明、供給を受けていた商品の回収も広がるという事態になっています。
長期間飲み続けていた人が腎障害で亡くなったという死亡事例が2件判明、入院患者も増え続けているということです。
小林製薬が製造した紅麹で自社製品に使ったのは2割、残りは多くの会社に販売されそれぞれの製品に使用されていたということで、そういった製品の自主回収が続々と実施されています。
ただし、配合していたといってもごくわずかな量でしょうから、それで被害が出るということはまずないのではないでしょうか。
小林製薬の製品で被害が出たと見られるのは、あの紅麹をそのまま錠剤にしたようなサプリを毎日しっかりと摂取したことによるのでしょう。
消費者庁が小林製薬に紅麹サプリの安全性を再検証しろと命令したということです。
www.yomiuri.co.jpしかしそもそも機能性表示食品というものはそういった手続きをできるだけ簡略化し、言ってみればいい加減でもできるようにすることで企業側の儲けを手助けしようと、安倍の肝いりで始めたようなものですから、何をいまさらということでしょう。
テレビ番組ではいわゆる専門家が限られたロットの製品に被害が集中していることから、他のカビの混入もあるのではと言っていました。
しかしいくら何でも小林製薬の製造部門ともあろうものが、そのような混入(コンタミネーション)を見逃すはずもないでしょう。
おそらく紅麹の本体である微生物(Monasucus属のカビ)がそもそも持っている性質の一つとして別の化合物製造の生理的な能力が何らかの培養時の状況により増強され、普通ならそれほど作らないものを作ってしまったということではないでしょうか。
微生物の製造能力というものはとても複雑なものであり、人間が飼いならすことなど簡単にできるとは言えません。
機能性として注目された化合物製造だけを見ているのでしょうが、その他の物質を製造しているのも確かであり、その量などは全く考えもしなかったということでしょう。
紅麹に含まれるコレステロール低減に効く有効成分はモナコリンKというものだそうです。
もしもその成分だけを精製してそれを食品に入れるということをしたのなら、このような被害は出なかったでしょう。
しかしモナコリンが入っているのは確かだとしても、紅麹には他の成分も多数入っているのは間違いなく、そういった紅麹をこれまでの食経験からは考えられないような量で摂取させるサプリという形態がこれを引き起こしたということです。
いわゆる健康食品、機能性表示食品というものにはこのような「天然物をそのまま濃縮して錠剤化」というものが他にもぞろぞろと販売されています。
そのどれにでも今回のような事故を起こす危険性があると言えるのでは。