爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

人口が増えるほど環境問題は無くなり使える資源が増える?何かよくわからない論理

ネットをあちこち見ていたら変な話を見つけました。

news.yahoo.co.jpベルギーのゲント大学の科学哲学者というマルテン・ブードリーという人物が語ったということです。

「環境問題を解決するには人口を減らす」というのは間違いだという主張だそうです。

 

そんな人物が本当にいるのかと思って検索したら一応実在のようです。

en.wikipedia.org若いのに驚きます。39歳とか。教授などではないようです。

もしかしたらちょっと人目を引くようなことを打ち上げて名前を売ろうというだけなのか。

 

人口が増えることなど問題ではなく人口減少が大きな問題だと言いたいようです。

次のように書いてありますが、どうもその説明は無いようです。

「人間が多ければ多いほど使える資源は増え、自然への悪影響も少なくなるのだから。」

 

次に書いてある「出生率の低下は予想以上だ」というのは部分的には事実です。

日本ばかりでなく東アジア各国もそうですし、ヨーロッパでも(移民は別にして原住民だけは)かなり減少傾向にあります。

しかし、世界全体としてはまだまだ増加傾向にあり、人口減少をなかなか起こしそうもない地域があります。

 

その次の「さらに科学が進歩すれば資源の代替品も見つかる」に至ってはあまりの楽天ぶりに笑わざるを得ません。

 

というわけで、目立ちたがり屋の坊ちゃんのうわごとだったようです。

 

実際には人口がこれほどまでに急増したのは人類史上初めてのことであり、それは石油や石炭といった化石燃料をフルに使用することで成し遂げられました。

食料の増産も化石燃料のおかげです。

それ自体が異常ともいえることであり、この先に待つのは破滅だけと言ってもそう間違いはないはずです。

 

しかしこの「科学技術進歩崇拝」の宗教の狂信者は絶えることなく続いていくのはなぜなんでしょう。

確かに目に見えるような生活の変化は激しいようですが、その奥にはそれほど変わらないままの人間の本性があるということが見えないのでしょう。

 

というわけで、題名に少し驚きましたが大したものではなかったようです。