爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「気候変動がひどいから化石燃料使用を止めて温暖化を防ごう」では話が進まない

テレビのワイドショーを見ていたら、東北地方のひどい水害の様子を報じた後、「これほどひどい気候変動になっても、温暖化を防ぐために化石燃料使用削減という方向には向かない」と嘆いていました。

 

気候変動がひどいから、二酸化炭素排出削減という方向に向こうとしても、経済成長の維持などのためにはそれを受け入れることはできず、各国の摩擦激化のせいもあり化石燃料削減などは二の次にされてしまっているということです。

 

だからどうしようという効果的な方策も見えませんが、この方向で話を進めていても決して解決策にはたどり着かないでしょう。

 

そこにはこの現代のエネルギーに過度に依存した文明というものの存在自体に対する疑問も反省もまったく無いからです。

 

そこにこだわる限り、化石燃料を使わなければ代替エネルギーを使えばよいという策しかとることができず、あの中途半端な代替エネルギー候補に無駄になるとも知らずに金と資源を注ぎ込んでいるばかりです。

 

話の始めの前提が間違っていました。

「気候変動が激しくならないように化石燃料の使用をやめよう」ではなく、「化石燃料に頼ってエネルギー依存文明を作り上げてきたこの現代文明が間違っていたのだから、それを変えよう」でなければならないのです。

 

「現代文明の間違い」があったとしても、それで何の不都合もなければ良いのかもしれませんが、その間違いが「気候変動」であるというのは眉唾だとしても、「化石燃料の供給減少による危機」は必ず来ると思わなければなりません。

そこで初めて「現代文明の間違い」に気づいたのでは非常に危険なことになります。

おそらく世界を巻き込む大戦争となるでしょう。

そうしないためにも、一刻も早くエネルギー依存からの脱却を図らなければなりません。

 

なお、「経済成長」などはまずその最初に捨てなければ進みません。

経済どころか国の構造すべてを作り直すことになります。

そのビジョンとやり遂げるための指導力を持てる人がいるかどうか。

まあいるとは思えませんが。