爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「ホワイト水素」とは何なのか。

エネルギーの不安が強まる中、水素に期待を寄せる人も増えています。

しかし現状では安く作るには化石燃料から製造するという、まったく方向違いの方法で、グリーンとやら言う水素は「再生可能エネルギーによる電力で水を電気分解」という非常にコストの高い方法しかない状態です。

 

ところがここで「ホワイト水素」なるものが飛び出し、それに期待ができるかのような報道がありました。

www.businessinsider.jpホワイト水素とはどうやら地中に水素がそのままの形でうずもれているということのようです。

採掘から分離精製の手間はかかるでしょうが、それで水素ガスが得られるならばコスト的には有利でしょう。

 

しかしどう見てもうさん臭い話です。

このようなエネルギー危機が騒がれる時に出てくるというのもその疑惑を増します。

もしも十分に可能性があるのなら、石油が非常に安価であった時代でも出てきても良い話であるはずです。

 

確かに地中にそのような元素の状態で埋もれているということは無いとは言えないでしょう。

どうやら一つにはその埋蔵量に問題があるようです。

記事中には探査に当たった科学者が「600万トンから2億5千万トンのホワイト水素の鉱床を発見した」」とあります。(それにしてもその量の見積もりも非常にあいまい)

これが「世界のエネルギー事情を救う」のか。

水素は重量当たりのエネルギー量も炭化水素に比べれば低いでしょうが、それにしても最大で2億5千万トンとは。

アメリカ1国の1年の石油使用量がどうやら8億トン程度のようです。

その量にも満たないのが最大埋蔵量ではあっという間に消え失せるのでは。

 

もちろん他の地域にも埋蔵されているという可能性はありますが、その探査も大変なことになりそうです。

 

どうやら「世界を救う」にはほど遠い、単なる研究費欲しさのアドバルーンのようです。