エネルギー収支的にも経済コストから見てもまったく成り立たないような水素化の推進がなぜ進められるのか、不思議に思っていましたが、エコノミストの齋藤満さんが書いていた文章で腑に落ちるところがありました。
現在の脱炭素化へ向けた方向の中ではバッテリーというものが最重要であり、新規の方式のバッテリーも研究開発が進められていますが、それでも現在はほとんどがリチウムによるものです。
しかしそのリチウムの供給が今後さらに逼迫して行くだろうというのが斎藤さんの意見です。
現在の世界のリチウム生産国は、オーストラリア、チリ、中国でこの3国で世界総生産量の9割を占めるそうですが、中国は自国ですべてを消費していますので、世界需要にあてられるのはオーストラリアが最も多いそうです。
そのオーストラリアの生産企業がリチウム供給に不安を持っているということです。
このままいけばリチウムの奪い合いからEV化の停滞という事態につながりそうです。
その事態を一気に逆転できるのが水素燃料だということですが。
まあ、危ない情勢であるのはリチウム供給も水素製造も似たようなものでしょう。
結局は脱炭素化などと言うことには見向きもせずに化石燃料を使い続ける第三世界の勢力が徐々に強まることになるのでしょう。