東京大学の鈴木宣弘教授が文藝春秋誌に掲載した食品に関わる記事は内容がでたらめであるとして小島正美さん達が抗議を重ねていますが、文春側は全く聞き入れようともせず、さらに鈴木教授の執筆記事を重ねて発表しています。
ところが、内容的には全くおかしいところばかりであるにも関わらず、専門家からは疑問の声もなかなか出ないままとなっていました。
それがようやく、小さなメディアながら農業技術通信社という出版社の「農業経営者」という月刊誌に反論が掲載されたということです。
執筆者はキャノングローバル戦略研究所の山下一仁さんという方で、元農水官僚だそうです。
小島さんのこのFOOD NEWS ONLINEにも概要は載っていますが、山下さんの掲載記事の内容を収めた所属研究所のHPのリンクが載っています。
cigs.canon鈴木氏の記事の多くの部分は基本的な事実すら間違えているようです。
実は鈴木教授も農水官僚から東大に転じたとか。
山下さんも官僚出身ということでは同様ながらキャノン研究所へという道は異なることとなりました。
しかし東大教授という名前はやはり格別の重みがあるようで、文春もそれに飛びついたのでしょうか。
他のマスコミにも鈴木教授の文章が掲載されるなど、結構な売れっ子になっているようです。
ところが山下さんの挙げている文章を見てみるとやはり相当な間違いを含み、いい加減なもののようです。
それでも東大教授にはなれるということなのかもしれませんが、専門家の間で正常な相互批判ということが行われていないということの現れでしょう。
専門家は素人が言うことはすぐに非難するものの、専門家同士の議論ということには非常に慎重、というか臆病、触らぬ神に祟りなし、火中の栗は拾わずといったことになっているのではないでしょうか。
食糧問題という、そもそもの問題の核心から離れ、日本の学術というものの病的な部分にも関係がありそうです。