日本人が英語不得意というのはよく知られていますが、それでも「英語らしき」言葉を連発するのは大好きのようです。
そういった、「アメリカ人の知らない英語」=「和製英語」についてあれこれと紹介している本です。
現在の日本語全体の中で、カタカナ語と言われるものが約1割使われています。その中の8割以上が英語または英語関係だとされています。
しかし、その中のかなりの部分が本当の英語由来のものではなく、日本で作られた和製英語と言われるものだということは、それほど知られていないことかもしれません。
外国人との交流が増え、実際に英語を使って会話をするという機会が誰にでも増えてきましたが、そこでこの和製英語を使ってもまったく通じないということもよくあるようです。
なお、冒頭に挙げられている和製英語の例として「ライフライン(lifelien)」も示されており、災害時に問題となる電気・水道などの供給をライフラインと呼ぶのは和製英語だとしていますが、これは他にも言及されていたように地震災害関係の専門用語で実際にアメリカの学者が作った術語であり、和製英語とは言えないようです。
ただし、一般のほとんどのアメリカ人が知らないのは間違いなさそうですが。
とにかく現在の日本ではあちこちに和製英語が溢れていますが、特にひどいのが「ファッション」「自動車」「野球」だそうです。
この本でも1章ずつを割いてその3分野を取り上げています。
自動車、野球のいずれも明治から大正時代に主にアメリカから取り入れられており、最初は正真正銘の英語で紹介されていたはずなのですが、いつの間にか日本で独自の言葉が当てはめられてしまいました。
どうせなら日本語を使えば良いのに、中途半端に英語を組み合わせて使ってしまいこのような状況になったのでしょう。
stearing wheelがなぜ「ハンドル」になったのか。
hornをなぜ「クラクション」と呼ぶのか。よく分からないようです。
バッティング・ピッチャーは「打撃をする投手」のことであり、大谷翔平はそれに当たるのでしょうが、日本では打撃練習の時に投げる投手のことに変化しています。
シート・ノックも由来不明のようで、fielding practiceがそれにあたります。
どうも本来の英語が忘れられた時にそれに当てはまる言葉を限られた語彙の中から選んだのでしょうか。
英語を用いての外国人との対話を進める上でもかなりの障害となるのが和製英語という言葉のようです。