英語はその成り立ちの複雑さから、多くの言葉の起源にはゲルマン古語やギリシャ語、ラテン語などの由来が入り混じっています。
色々な分野ごとに言葉の起源を明らかにすることにより、その使い方も正しくできるということです。
分野は次のとおり。
第1部 歴史・文化・制度に関する英語の起源
1古代史・英米史にまつわる英語
2聖書・文学にまつわる英語
3権威・身分制度にまつわる英語
4教育制度にまつわる英語
(第2部以降は略)
こういった分野ごとに代表的な言葉を選び、その起源を表すとともに、その使用例と説明を施し、さらにネイティブによるワンポイント情報を付け加えられています。
ただし、1語に対して1ページの説明ですのでやはりかなり限られた情報だけに絞られているようです。
その中からほんの数語ですが紹介しておきます。
Class 類、学級、クラス、階級、階層
日本では「学校の学級」の意味が強いClassですが、もともとは階級と言った意味が主のようです。
市民への徴税のために財産に応じて6つの区分に分けていたのですが、それをギリシア語のkleisをラテン語に借り入れて、classisと呼んだそうです。
これがフランス語に入ってclasseに、そして初期近代英語に入ってclassになりました。
Emperor 皇帝、帝王、天皇
古代ローマで「最高司令官が軍の指揮をとること」をimperareと言いました。
そこから、統率者・支配者のことをimperatorと呼ぶようになりました。
古代ローマでははじめは軍隊の将軍をそう呼んだのですが、ジュリアス・シーザーとその後継者のアウグストゥスもそう呼ばれたため、皇帝という意味になりました。
その後、フランス語のempereurを経て中期英語のemperorとなりました。
古代ローマの皇帝の他、かつての神聖ローマ帝国皇帝に用いられますが、中国や日本の統治者にも用いられるようになりました。
Interest 利子、利息、関心、経営権、利権、利害関係
これも日本では通常は「関心」の意味と捉えられていると思いますが、そのほかにも多くの意味があります。
14世紀にアングロフランス語のiteresse(利害関係)から中期英語に取り入れられたのがinteressでした。
元々は中世ラテン語のinteresse(異なること・重要)から来た言葉で、当事者双方の利害関係を表す言葉だったようです。
それが次第に、「関心、興味、利害、利息」などへと意味を広げていきました。
こういった調子で非常に多数の言葉の解説が並んでいます。
1ページずつ読んでいくというのは少々大変のようです。