爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「英語の教養」大井光隆著

英語を理解し話すと言っても、文法だけを覚えているだけでは正確な意味を伝えられません。

その言葉の奥に隠れているものは何か。

そこまで理解して初めて英語を理解できたということになるのかもしれません。

 

著者の大井さんは、長く出版社で英語の辞書や参考書の出版を担当してきました。

一つ一つの言葉の裏に隠れている深い意味とは何か。

それを詳しい説明と写真で示します。

 

大きな項目は、「英米の歴史」「年中行事と祝日」「ギリシャローマ神話」「聖書とキリスト教」「伝説と民間伝承」「生活のことば」「スポーツ」「架空の人物とヒーロー」「動物」「植物」であり、それぞれに属する言葉を詳説しています。

これだけ知っていれば、かなり英語力も上がる?

 

知っていそうで知らないのが「英米の歴史」でしょうか。

意外に盲点になっているところがありました。

 

また「聖書」関係も英米人にとっては基本的な知識ですが、日本人のキリスト教徒以外の者にとっては危険地帯でしょう。

私など結構本で読んでいるように思っていましたが、知らないことも数々あります。

おそらく、たいていの日本人にとっては初耳なのかもしれません。

 

スポーツ関係では、英米由来のスポーツでも使われている言葉は英語のようで日本製英語風単語が多いということは、野球などで結構有名なことかもしれません。

なぜ英語そのままではなく、和製英語を使ってしまったのか。不思議なところです。

 

教会用語で「Cathedral」というものがあります。

和訳すると普通は「大聖堂」と訳されるのですが、実はこれはカトリック教会や英国教会で、bishop(司教、主教)の座席が設けてある「司教(主教)座聖堂」を指し、特に建物の大きさとは関係ないそうです。

とはいえ、有名なものはやはりかなり大きなものが多く、ロンドンのウェストミンスター大聖堂、カンタベリーカンタベリー大聖堂は壮大なものです。

なお、「ウェストミンスター・アベイ」は有名ですが、「カテドラル」ではないのに注意ということです。

 

Dogは「犬」ですが、人間と犬との関係は日本とは少々違いがあり、イギリスでは古くから牧羊のために犬を使ってきたため、犬と人間は仲間と言う感覚が強いそうです。

日本ではそこまで犬の地位が高くないため、「警察の犬」とか「犬死」といった悪い使い方があるのですが、英語の場合は少し異なります。

「die like a dog」という言い方があるのですが、これは日本語の「犬死する」のような「無駄死にする」という意味ではないことに注意が必要です。

英語では「みじめな死に方をする」という意味で、「無駄」という感覚は無いということです。

 

かなりの大冊ですが、これを全部頭に入れればかなり英語の表現力が増すかも。