爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

予備費なるものは政府の勝手に使えるものという勘違い

自民党の世耕参院幹事長が予備費5兆円を物価高対策に使うと言っているそうです。

news.yahoo.co.jp

コロナ禍対策の予備費として多額の予算をつけてはいますが、使わなければならないなどと言うことはないのはもちろんです。

どうせ国債という名の借金ですから、今の政治家たちが返す責任などを負うはずも無く、未来の政府に償還させるという夢物語なのでしょう。

 

しかし物価高といってもその成因には色々ありそうです。

ウクライナ侵攻によるロシア産エネルギーの禁輸にともなうエネルギー価格上昇だけが原因ではありません。

コロナ禍対策で国家財政の緊急出動ということは日本ばかりではなく諸外国もやっており、これらがインフレ要因になった可能性もあります。

さらに、それ以前に新自由主義からの脱却と称してアメリカでは国家財政支出を大幅に増やしたということもあったようであり、それが時期を同じくして噴出してインフレとなったのかもしれません。

 

しかし、日本政府が「物価高対策」と称して金をばら撒くとはどういうことでしょうか。

貧困家庭に直接給付するというのはまだ仕方ない面もあるのでしょうが、ガソリン代の一定額補給はすでに行われており、さらに電力料金に一律補助などと言うこともやりそうです。

「この時期さえ」乗り越えればまたエネルギー価格は下落するとでも考えているのでしょうか。

 

エネルギー価格はウクライナ紛争が終結しても一時的な上下はするかもしれませんが、長期的に見れば徐々に上がり続けるものでしょう。

ここで補助金支出で誤魔化してもいずれはそれも続かなくなります。

エネルギーをできるだけ使わない生活に早く転換しなければならないのでしょうが、補助金で票を買いたい一心の政府にはそのような正論は届かないのでしょう。

 

予備費とは言え、これも国家、国民の財産であり、それを自民党議員の議席確保のために使わせてはいけません。

しかし困窮がそのまま退廃につながるという、よくある話に落ち込んでいくようです。