海藻の生育環境を整えることで繁茂を促すのが、「ブルーカーボン」だということです。
NHKニュースのサイトですのですぐに消えるでしょうから内容も引用しておきます。
海草の生育を促すことで二酸化炭素吸収を増やし、「温暖化対策」につなげる「ブルーカーボン」という実証実験を山形県酒田北港で実施するということです。
これは森林の造成で二酸化炭素吸収するという発想と一緒だということですが、どちらも「炭素の循環」ということを無視し、形だけ二酸化炭素吸収しているかのように見せているだけのものです。
これはそもそも化石燃料である石油や石炭が出来上がってきた過程をそのまま追っているようなものです。
空気中に二酸化炭素が現在よりはるかに多かった古代に、単細胞藻類や樹木によって固定された二酸化炭素が、「そのまま」海中や地中深くに埋もれ、長期間かかって燃料化したものが化石燃料です。
もしもそれと同じ過程で地中や海中に植物や微生物によって固定された炭素が埋もれてくれれば空気中の二酸化炭素は減少するでしょう。
しかし、古代には微細藻類や樹木を分解する微生物がまだ発生しておらず、そのまま分解を受けずに埋もれたのですが、現在では死滅した生物を分解する微生物があり、速やかに分解され、炭素などの元素は循環します。
したがって、いくら森林や海藻で二酸化炭素を固定化してもその分解を防がなければ空気中の二酸化炭素濃度の減少にはつながらないのですが、それをどう説明するのでしょうか。
こんな噓だらけの方策があたかも大気中二酸化炭素の固定につながるかのような宣伝は、子供たちの科学的思考を極めて阻害するのではないでしょうか。
もはや「実質的カーボンニュートラル」の「実質的」とは何かを考えなければならないということです。