日本の鉄道は信頼性が高いことでは世界有数ですが、それでも旅をしていると色々なトラブルにあうことがあります。
鉄道側の問題もありますが、それより多いのが自分の方の問題、切符を無くしたとか急に旅行の予定を変えたとか。
そういった時にどうしたらよいのか、あまり知られていないことかもしれません。
著者の松本さんは子どもの頃からの鉄道ファンでその後は鉄道ライターとして活躍されているということで、鉄道旅行歴も相当なものですが、それだけにトラブルとの遭遇も多かったのかもしれません。
もしもトラブルになった場合にすぐに対処法が見つかるようにか、場面別にまとめて書かれています。
「列車内」「ワンマン運転」「駅」「列車運行」「きっぷ」「ICカード」「緊急事態」といった具合です。
なお、JRは元は国営であったせいもあり、「旅客営業取扱基準規定」といったものが制定されているため、はっきりしているとは言えるのですが、融通は利きそうもありません。
まあそれを持ち出されたら仕方ないと思うしかないのかもしれません。
トラブルの原因は自分にあることが多いのかもしれませんが(列車の乗り間違い、寝過ごし等々)同じように見える「乗り方」が列車により、路線により、地方により若干違うということで、慣れない場所で乗った場合にまごつくということはありそうです。
特に「ワンマン運転」というのはその列車特有の事が意外に多く(出口は一か所とか、ICカードの適用外とか)本書で特に別に一章を設けるというのも理由ないことではないかもしれません。
特にローカルの通勤通学列車などではほとんどが慣れた乗客ですが、そこにたまに訪れる旅人がふらっと入るとトラブルになることもありそうです。
なるべく全国共通のルールにしてもらえればよいのでしょうが、
意外に感じるのが「駅が広すぎて目的のホームが見つからない」「乗り換えに間に合わない」ということでしょうか。
私はかつて東京駅を毎日通学で通っていましたので広いということは知っていますが、他の地方から来る人などまごつくかもしれません。
これも「十分に下調べ」しておく必要があるのでしょうが、難しいことです。
「事前にチェックしていても判りにくい駅」というのが本書には示されています。
特急などが2時間以上遅れるということもよくあることですが、この場合は在来線・新幹線どちらも特急料金は全額払い戻しになります。
ただし、遅れたために他の影響が出たとしてもそちらの補償はありません。
昔に鹿児島本線特急に乗って博多まで行った時に何かの影響で遅れたのですが、博多駅到着がぎりぎり2時間未満だったことがあります。
その時に車内放送で「列車が遅れご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません。当列車は博多駅に”1時間50分遅れ”で到着いたしました」とあったのですが、その口調が何か嬉しそうに聞こえたのは勘ぐりすぎでしょうか。
まあトラブルなどは無いに越したことはないのですが、一通り知識として知っておくと何かの役に立つかもしれません。