最近は○○鉄という言い方もよく目にしますが、鉄道を趣味とする人のことを呼びます。
その中でも「乗り鉄」とは列車に乗って旅をすることを第一と見る鉄道ファンのことで、まあ言ってみれば一番正統派?でしょうか。
フリーライターの杉山さんは子どもの頃からの筋金入りの乗り鉄、全国各地に鉄道を求めて出かけて乗ってきたという方です。
そんな著者が選りすぐりの33の鉄道旅を紹介しています。
ただし、2013年の出版の本ですがすでに現在では運行停止などで乗ることのできなくなった列車も含まれています。
また著者が東京在住のため、「日帰り散歩列車旅」や「東京再発見の列車旅」などはあくまでも東京発着ですので、他の地方の人には身近には感じられないかもしれません。
まあ、それでも十分に読者数は確保できそうですが。
「日帰り肥薩おれんじ鉄道の旅」などでは本を買ってくれる人もほとんど居ないでしょう。
私も現在は熊本在住ですが、若い頃は関東地方で鉄道ファンもやっていましたので、内容にはそれほど不満はありません。
川崎横浜の京浜工業地帯を走る鶴見線というのは、ほとんど工場に通勤する人たちのためにある路線なのですが、それを狙って乗り鉄たちがやってきます。
朝夕の時間帯以外は列車数も少ないのですが、そんな困難はものともしないようです。
終着駅の海芝浦駅は東芝の工場に入る以外の出口はなく、一般人は駅から降りることもできないのですが、ただ降りてまた次の列車に乗って帰ってくるだけの鉄道ファンが多いそうです。
2005年につくばエクスプレスが開業し、筑波山方面には東京からかなり行きやすくなりました。
最高時速130㎞と、開業当時は関東の私鉄ではもっとも速い列車だったそうです。
これは知らなかったのですが、この鉄道は路線の中で交流と直流を切り替えているという特殊な構造になっています。
途中の守谷駅より南側は直流電化区間、北側は交流で、そこで自動的に切り替えられます。
これは筑波にある気象庁の地磁気観測所の存在のためで、近くに高圧の直流電流を通すと観測に支障が出るためだそうです。
それなら全線交流電化にすればよかったようなものですが、守谷から南は地下区間が多いためトンネル断面を小さくするため直流の方が良かったとか。
旅に出るということが遠くなった近頃ですが、また列車に乗ってどこか遠くに行ってみたいものです。