二酸化炭素を効率的に集め、そこから燃料を作り出すという、まさに錬金術のようなことを「現役東大生」とやらがやっているということです。
とにかく今は二酸化炭素を悪者にしてこれを削減すれば良いとばかりの説が飛び交っていますが、これなどはそこを上手く突いています。
とはいえ、その中味はアルカリ水溶液で二酸化炭素を吸収、その二酸化炭素は燃料に返還してやるという、非常にうまい話のようですが。
アルカリ水溶液、NaOH、KOHといった溶液は二酸化炭素を吸収するというのは間違いのない話です。
しかし吸収された二酸化炭素をどうにかしようとすればそこからさらにエネルギーを掛けなければなりません。
そのエネルギーをどうやって供給するのか。その視点が抜けています。
さらに、「二酸化炭素を燃料に」というのもその反応過程を無視しています。
燃料というのは酸化反応を起こさせるためのものであり、化石燃料などは「炭化水素」でCとHとが様々な形で化合物となっているものです。
それが酸素と反応して二酸化炭素となる際に大量のエネルギーを放出します。
その産物である二酸化炭素は反応後の残りかす?であり、そこからエネルギーを取り出すことはできません。
それをするためには二酸化炭素を再び還元して炭化水素などにしてやらなければならないのですが、それを行なうのが植物の光合成反応です。
しかしこれを工業的に行なおうとするとそのためのエネルギーが大量に必要となります。
このような錬金術並みの話でも知らない人にとっては夢のような科学技術に見えるのでしょうか。