円安の動きが止まらず、1ドル140円を越えるかどうかと言っていたのがあっさり突破、すぐに145円も越えるという事態になってきました。
1ドル360円という固定相場の昔も知ってはいますが、最近は100円程度という状況が続きそれに従って作られてきた社会の動きですので、それが一気に5割近くも円安ということになれば相当な影響が出るでしょう。
為替レートの推移というものを調べてみました。
まとめた結果を示しているところはいくつもありますが、その中から一つ引用させて頂きます。
この中から推移を示したグラフも引用。
2019年初からのものですが、110円前後から少し上がり気味になったものが今年に入って急落していることが分かります。
もうちょっと長い期間の推移は以下のグラフ。
1949年に1ドル360円の固定相場と決められて以降1971年に308円に切り上げ、さらに1973年には変動相場制に変わりました。
それでもしばらくは200円から250円で推移していたのですが、上記グラフにも出てくるように1985年のプラザ合意で急激な円高が進むこととなり、1987年には1ドル120円まで上がることとなりました。
これがバブル景気到来の一因ともなったものです。
その後は下がっても120円、上がって80円程度ですが、だいたい1ドル100円前後で安定はしていたようです。
しかしアベノミクスで円安誘導がなされ110円台に上がってきました。
これは円安にすることによって政権のお友達の輸出大企業に利益を出させようというものでした。
しかし一定の円安水準で動きは止まりました。
そこに最近の欧米のインフレ激化に対して取られた金融引き締め政策により円売り圧力が強まって急激な円安となってしまいました。
これにはウクライナ侵攻による燃料高の影響も加わっているのでしょう。
この影響は輸出企業の経営にプラスになることはあるのかもしれませんが、しかし日本経済はほぼ全体が輸入依存となっている以上、極めて大きなマイナス影響が出てきます。
原油や天然ガスの暴騰に加え、家庭直撃の食料品価格上昇が始まっています。
値上げラッシュは止まらずさらに一度上げた価格を再値上げという例も頻発しています。
1ドル100円程度のつもりで構築してきた流通がその5割増しになったのでは止めようもないでしょう。
しかしこれまでもスーパーの食品売り場に行って商品を見て、普通に外国産のものが結構安い価格で売られていたという状況に慣らされてしまった身としては、それがぐんぐんと値上がりしていくというのは厳しいものです。
折りから北日本などでの長雨で農産物の価格上昇も起きており、これまでなら外国産のものを買い付けて値上がりを最小限にという行為もこの円安で不可能となってきます。
そういった時のための中国産加工食品もこの先どうなるか。
世界中の食品で潤ってきた日本の食事情も変わらざるを得ません。
役立たずの政府が円安は放置できないなどと言っていますが、何をどうすれば歯止めができるのか、十分な利上げ以外にはあり得ないのですが、そんなことはできるはずもありません。
これは当分は円安傾向が続き、さらに円安が進むこともあるでしょう。
しかし、引用したグラフの急上昇の時だったプラザ合意というのは、私はすでに結婚して子供も生まれた頃で記憶も鮮明なところです。
それ以前の生活というものがさほど苦しかったとか言うことも無く、まあその昔に戻ったところで少し経てば慣れるのだろうとは思いますが。