円安がさらに進み149円台にまでなっています。
ニュース報道ではいくつかの話題に触れられていました。
政府関係者の発言はまたしても介入を匂わせるものとなっています。
しかし前回の「断固たる処置」など何の効果もなく、ただ政府の外貨保有を減らすだけのものとなっています。
経済評論家の加谷珪一さんという方の解説記事にはその分析が書かれていました。
どうやら分かっているだけの情報でも為替介入の規模は大したものではなかったようです。
円高に対する介入では円を売るので日本政府は事実上いくらでも発行はできるとすれば(いくら損をしても)可能ですが、円安介入ではドルを売らなければならないので政府の保有ドルの範囲内でしかできません。
その保有ドルが1兆2920億ドルなのですが、うち1兆300億ドルはアメリカ国債であり現金は残りの1360億ドルだけだそうです。
米国債を売るとなればアメリカの金利がさらに上昇することになり、逆効果となります。
しかし現金は介入前後で保有額が変わっていないようで、どういう手法によったのかはっきりしないそうです。
放送では続けて経団連十倉会長の発言が報じられていました。
円安は困るが円安を活かして利益を上げることを考えなければならないということで、「外国人観光客を呼び込む」そうです。
これが経済団体のトップの発言かと思うと情けなくなります。
円安で外国人観光客が増加するということは決して喜ぶべきものではないでしょう。
円高であってもどんどん外国から観光客が来るほど日本の魅力が増しているというなら喜んでも良いのでしょうが、安いだけの観光地だという利点しかないようにも見えます。
このような情勢となっても日銀は相変わらず物価上昇は賃金の上昇を伴わないので金融緩和は継続という方針を変えません。
そもそも金融緩和が賃金上昇につながらないということは、もういくらバカでも分かっても良さそうなのにそれを変えることもできません。
やはり金利上昇を許すと国債発行が難しくなるという政府側事情でしょう。
政治がだめでも経済は良かったというのが神話に過ぎなかったのでしょうが、ダメな政治がさらにダメな経済によって引きずり降ろされる事態です。