ウクライナ侵攻の理由としてロシアが挙げていたのが「ロシア系住民に対する迫害」でした。
それを実施していたのがウクライナのネオナチ勢力だということです。
しかしウクライナ側の抵抗が強く首都キーウ方面への攻撃を中止したロシア軍はウクライナ東部への攻撃に集中している一方、南部のオデーサ方面からその先のモルドバへの侵攻も示唆しているという報道です。
この東京新聞の記事ではロシア軍の副司令官の話としてモルドバ侵攻についても挙げられたということですが、それを「NATOへの圧力狙い」と報じています。
しかしどうもNATOうんぬんというよりは、とにかく「ロシア系住民の保護」ということを一番に考えているのでは。
モルドバでもすでにロシア系住民の独立運動が起きておりそれに対するモルドバ政府の圧力もあったようです。
それを「住民迫害」と解釈すればロシア側の侵攻もあり得るということでしょう。
もともとソ連統治下の期間には相当数のロシア人が周辺各国へ移住していったようです。
ウィキペディアで「ロシア人の分布」として調べてみました。
すると全世界に1億3000万人のロシア人(日本人と同じくらいじゃない)がいるのですが、ロシア国内の1億2000万人弱が最も多いものの、ついでウクライナに833万人、カザフスタンに372万人、(アメリカ315万、イスラエル150万以上)、などと続き、モルドバはかなり下がって37万人だそうです。
こういったロシア系住民が分離独立運動などを始め、それに対しその国の政府が圧力をかければそれを口実にロシア軍が侵攻するというのではたまったものじゃありません。
もちろん、アメリカやイスラエルでそういったことはないでしょうが、元ソ連圏内の国々では非常に危険性が高いことでしょう。
そこら中の国で火種になりそうなことのようです。
なお、この表には日本のロシア人数は書かれていませんが、韓国は約3万人だそうです。
韓国在住よりは日本のロシア人の方が多いようにも思います。
なお、ロシア側がさかんに「ウクライナのネオナチ勢力」と呼んでいるのが気になっていましたが、このモルドバ関係でもロシア系住民迫害勢力はナチ勢力と言っているようです。
どうやら「ロシア人迫害=ナチ」という図式がロシアには離れがたくあるようです。
あまり西欧のネオナチとの関係といったものは意識していないのかもしれません。