この前実施された大学入試共通テストの英語の問題に、内容に大きな問題点がある出題があったと科学ライターの松永和紀さんが取り上げています。
英語の問題でその科学的な内容についてどうこう言う必要があるかという反論もあるかもしれませんが、とんでもない。
この設問はこれらかもずっと過去の出題例として残り続けますので、そこに重大な誤解のある内容が含まれていることは日本人の科学リテラシーに対しても大きな障害となりうることです。
その内容は上記のnoteでの松永さんの書かれた文章に詳しいのですが、まとめて言うと「人工甘味料に対する無理解」による一方的な断罪です。
人工甘味料にも様々な種類があり、これまでにごく一部のもので有害であることが明らかになったということもありますが、多くのものは安全であることが確かめられた上で使用されています。
ただし、こういったものが有害であることを立証しようという研究者も居るわけで、そういった人々が有害を証明したと称する論文を発表するということもままあることですが、それが否定されることも少なくありません。
こういった状況にあるものを、英語科目だからといってそのまま問題文として取り上げるのが許されるのかどうか。
おそらく問題作成にあたった人間の偏見が起こした事例でしょうが、それをそのまま通した組織としての責任もあるのでしょう。
そして、それが周囲の人間も含めて多くの日本人の「科学リテラシー」の問題であるということです。