爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

アスパルテームの発がん性、松永和紀さんの解説

アスパルテームの発がん性について、国際がん研究機関(IARC)がランク付けしたということで報道であれこれ言われていますが、それについて松永和紀さんの解説です。

wedge.ismedia.jp

IARCは一応、WHOの関係機関ということで、どうしても注目されがちですが、これまでにも色々な物質の発がん性について取り上げてその度に同じような騒ぎを起こしています。

 

報道の一例は次のようなものですが、他のメディアでも同様です。

news.yahoo.co.jp

記事の中では分かりにくく書かれていますが(記者自身が分っていない?)、表題では「発がんの可能性」と堂々と書いており、人目を引きたいという思いがありありと伝わります。

中味の正確性などはどこかに置いておいて、とにかく記事がたくさん読まれればよいということでしょう。

 

IARC騒動のたびに言われることですが、この組織は別に自らが研究をしてその成果を発表するなどと言うことをしているわけではなく、他の研究組織がどのような発表をしているかということをまとめるだけです。

さらに、多くの報道が間違えていますが、「リスク評価」をしているわけではなく「ハザードの特定」をしているだけです。

そのため、IARCの表にも見られるように、2A(おそらく人に対して発がん性がある)の項として、「夜勤」だとか「非常に熱い飲み物」なども入っていますが、確かにハザードであるのは間違いないにしても、その頻度が少なければ何でもないということです。

 

しかもアスパルテームはその「2A」ですらなく「2B」

「発がんの可能性がある」というだけであり、そのようなものは他にも無数にあると言えます。

日本を始め多くの国では責任ある政府機関がハザードに対するリスク管理としてその摂取量などを調査し、通常の摂取量であれば問題ないということを発表していますが、「WHOの機関」であるIARCが発表したというだけで、それらの政府見解より上のように言われるというのは問題でしょう。

 

そこには、松永さんが強調しているように、アスパルテームなどの人工甘味料に対する長く続く批判の歴史も関与しているのでしょう。

たしかにズルチンは毒性が強かったようですが、サッカリンの発がん性というのは濡れ衣だったようです。

それでもアスパルテームは発表当時から多くの批判にさらされ、少しでも疑問があればそこを強くたたかれるということが続いていました。

そういった行為を天職のように行っている研究者も世界中にいるようで、また何かあれば燃え上がるということになるのでしょう。

 

人工甘味料が健康に悪いというなら、天然甘味料のショ糖やブドウ糖の方がはるかに多数の人々を病気にしています。

まったく無害というものは無いということも考えるべきでしょう。