爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

フッ素加工のフライパンは大丈夫なのか。松永和紀さんの記事より。

「おいしい、健康」サイトの中の「読む、えいよう」で毎月1回科学ジャーナリスト松永和紀さんが分かりやすい解説を書いています。

今回は「フッ素加工のフライパンの安全性」について。

oishi-kenko.com

「フッ素は危険」といった情報が飛び交っているために、「フッ素樹脂加工フライパン」も危険なのではないかと思う人もいるようです。

 

フッ素は元素記号Fで表される元素で、多くの化合物として使用されています。

現在問題視されているのは「パーフルオロ化合物」と言われるものです。

これらを総称して「PFAS」と呼ぶのですが、有害性が高く発がん性が疑われる化合物も含まれています。

特に危険なのがペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とペルフルオロオクタン酸(PFOA)で、これらは既に製造・輸入が禁止されています。

さらにペルフルオロヘキサンスルホン酸も禁止されることとなっています。

松永さんは記事中にこれらの化合物の構造式も掲載していますので、余力のある方はご覧ください。

 

フライパンなどに使われるフッ素樹脂というものはこれらの化合物とは全く違う構造であり、有害性は問題ない程度であるということが確かめられています。

なお、超高温で長時間加熱すると有害物質が発生するということがあるようですので、異常な使い方はできません。

 

なぜフッ素樹脂とパーフルオロ化合物との混同が起きたかと言えば、やはり構造式を見る知識の無い人が誤解したということが大きいのでしょう。

しかし、昔の製造時の事情も関わっていたようです。

以前はフッ素樹脂の製造時にPFOAを反応助剤として微量加えるということが行われていました。

それは製品中にはほとんど残らないということだったのですが、全く無いということではありませんでした。

しかしその製造方法はすでに転換されており今は使われていません。

 

現在のフッ素樹脂製品には危険はないようですが、これまでに使われたパーフルオロ化合物が環境中に残留しており、その影響が懸念されるようです。

泡消火剤などとして使用されていたこともあり、そういったものの製造工場、廃棄物処理場などには残っていることもあるため、その実態把握は必要なようです。