爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「空間除菌」なんていうものを「勧める医師」ってどんな連中なの。

中々抑えきれないコロナウイルス感染の世の中で、「除菌」のCMがあふれ、「健康食品」と同程度かそれを上回るほどの勢いでテレビに流れ続けています。

 

中でも「空間除菌」というものが猛烈な勢いで売り込まれており、飲食店などでも藁にも縋る思いでそういったものに手を出すことがあるようです。

 

そんななかでも目立つ広告が「医師も勧めている空間除菌」というものですが、ここではてと考えてしまいます。

「たしか、国の発表で”空間除菌は効果が不明で危険もある”と言われていたのではなかったか」

 

www.mhlw.go.jp

厚生労働省が発表している「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」という上記のサイトに書かれています。

 

この中の「4.空気中のウイルス対策について」というところには、

人がいる環境に、消毒や除菌効果を謳う商品を空間噴霧して使用することは、眼、皮膚への付着や吸入による健康影響のおそれがあることから推奨されていません。

薬剤の健康被害の観点から推奨していません。

また、それに続き「5.(補論)空間噴霧について」として、世界保健機構(WHO)およびアメリカ疾病予防管理センター(CDC)の見解が引用されていますが、いずれも空間噴霧は効果が不十分でまた健康被害の観点から「いかなる状況であっても推奨されない」と完全否定に近い書き方がされています。

 

また消費者庁からも空間除菌を謳う商品について繰り返し注意を発表しています。

携帯型の空間除菌用品の販売事業者5社に対する行政指導について | 消費者庁

 

 

しかし、それに対して売りたい側の攻勢もすごいものです。

うさん臭い中小メーカーだけでなく、結構名の知れた大企業でも続々と参入しているようです。

 

冒頭に掲げた「医師がすすめる空間除菌」という謳い文句でCMをしているのは、クレベリンを発売している大幸薬品です。

これはその発売の最初の頃から問題を引き起こしながらも販売を続けているのですが、それについてはいつも参考にさせて頂いている「NATROMのブログ」の発売当初の時期の記事で触れていました。

 

natrom.hatenablog.comNATROMさんが2014年に書かれているもので、現在同様「医師がすすめる空間除菌」というCMを流していたのに対し、NATROMさんがそのカラクリを調べたということです。

 

どうやらその会社は医師683名に対するアンケートを実施し、次の回答を引き出しました。

感染症対策として空間(空気)の菌やウイルスを除菌・除去し、空間をきれいな状態に保つこと(空間除菌)が有効だと思うか」というアンケートに内科医が80%以上「有効だと思う」と回答したという。「医師がすすめる空間除菌」というフレーズ自体は嘘ではない。

さらに、その空間除菌の手段としてこの二酸化塩素が有効かどうかという点については、

「うち、空間除菌において、60%以上の医師が二酸化塩素は有効だと回答しました」

NATROMさんが続けて指摘しているように、「家庭で二酸化塩素を使って空間除菌することが有効だとは医師は言っていない」ということです。

医師はあくまでも病院内やせいぜい病院待合室を想定して答えているのであり、家庭内で常時二酸化塩素を散布するような事態は考えられないということです。

 

これだけ言われているCMをあくまでも流し続ける会社というのもすごいものだと、かえって感心しますが。

(もちろんマイナス方向に)

 

どうやら、やはり空間除菌などやめておいた方が身のためのようです。