内田さんが「現代短歌」という本から頼まれて「よい書評」という文章を書いたそうです。
それが掲載されています。
どうも現代の書評というものは、その作品の瑕疵を指摘する方ばかりに向いているようです。
それが嫌な内田さんは書評そのものを書く気があまり出ないのだとか。
村上春樹さんも「ノルウェイの森」を書く前はあまり批評されることもなかったため、自然でのびのびした文章を書いていたのが、ノルウェイの森が売れたために多くの読者を獲得したと同時に多くの批評家の眼も呼び込んでしまったということです。
それ以降はのびのびした雰囲気は消え、文体は重厚になったように見えるが慎重に書くようになったとか。
少年時代の内田さんは、朝日新聞に連載されていた石川淳さんの書評が面白くて読んでいたそうです。
書評とはそのようなものだと思い込んでいたら、80年代頃には「寸鉄人を刺す」ような切れ味の鋭さを競うようなものばかりになり、書評自体あまり読まなくなったそうです。
批判ばかりされると、作家の方でも書く意欲が無くなってくるのではと心配しています。
私もこのブログは「読書記録」ということで書いていますので、ちょっと気になるところです。
まあ、私の文章などは「書評」などと言うものではありませんので、幾分かはその不安も薄れますが。
それでも、あまりひどいもの以外は本の批判は多くはないつもりですが、いかがでしょうか。