神奈川県東部、横須賀や三浦でしばらく前から異臭が発生しているという騒ぎがありますが、それが横浜にまで広がったとか。
縁もゆかりもある地域ですので、ちょっと気になります。
ただし、どこで発生するかが分からないため、大規模な捕集装置でサンプリングして分析するというわけにも行かず、なかなか原因がはっきりしないようです。
(人間の嗅覚はイヌなどと比べればはるかに劣るとはいえ、その敏感さは非常に希薄なガスなどの臭いでも判別でき、科学的に分析するには難しい濃度でも問題となります)
横浜駅周辺など、横浜市内でまた異臭 大気サンプル採取 | カナロコ by 神奈川新聞
このニュースの中で、「ガスのようなにおい」というのが曲者で、いわゆる「ガスの臭い」として普通に認識されるものはガス漏れを検知されやすくするために人工的に加えられた物質の臭いです。
www.kiryu-gas.co.jpガス供給業者によって違いはあるのでしょうが、ターシャリーブチルメルカプタン(タマネギの腐った臭い)やジメチルサルファイド(ニンニクの臭いの一成分)などが使われているそうです。
したがって、その地域の人(目撃者とは言わないんでしょうが)が「ガスの臭いがした」と言っても、ガスに付加されている物質の臭いである可能性が強いでしょう。
これを取り違えている人も居ます。
文献が示す「異臭」と「地震」の関係 神奈川で相次ぐ異臭騒ぎ…関東・阪神淡路大震災の前後に“ガスの記録” (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト
かつての関東大震災の前にもこの地域で天然ガスが噴出したという記録があるため、地震が近いかもというわけです。
確かに、関東地方南部には広く天然ガス田が分布しています。
しかし、そのガスには臭いはついていないでしょう。
何らかの物質が伴って噴出することもあるでしょうから、その臭いはするかもしれませんが。
これはやはり、こちらのニュースで引用されている東海大学海洋学部の先生の話の「青潮」の発生と関係するという方が近いのでは。
news.livedoor.com青潮も単細胞のプランクトンでしょうが、こういった生物は様々な有機化合物を作り出すことがあります。
(石油や天然ガスも古代のプランクトンが作り出したものが集まってできたものと考えられます)
こういった物質は様々な臭いでしょうから、その発生量が大量になれば臭いもひどくなるでしょう。
「青潮説」が間違いだとしても、それは調べれば分かるのでは。