爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「NATROMのブログ」より「PCR検査は感染症の診断に使えないというデマ」

ニセ医学と闘う内科医、NATROMさんのブログで、「PCR検査は感染症診断に使えない」というデマが広まっているという話が紹介されていました。

natrom.hatenablog.com

PCR装置の開発者の一人である、キャリー・マリス氏がそう言ったというのがデマの元らしいのですが、本記事注釈にはマリス氏はエイズ否認主義者であるものの、そういった発言は無いようです。

ただし、「ある特定の感染症において、定性検査ではなく定量検査としてPCRは使えない」とは言っているようですが、これは「感染症の診断にはPCR使えない」と同じとは言えないでしょう。

 

現実に、多くの感染症PCR検査は感染確認のために使われているようで、NATROMさんが詳述しているのは、結核ヒトパピローマウイルスですが、どちらも従来の検査法では時間がかかったり結果の信頼性が低いものです。

 

他にも実施例として、

ウイルス性肝炎、インフルエンザ、麻疹、風疹、MRSAマイコプラズマヘルペスなど

 が挙げられています。

どれもウイルスや培養が難しい微生物でしょう。

MRSAメチシリン耐性ブドウ球菌は培養は簡単だが、判別が困難)

 

NATROMさんはブログを書いても多くの反対者からの批判を浴びていますが(おそらく利益相反者)この記事に対しても批判コメントがあるというのは興味深い現象です。

実際使われているということを紹介するのに、なぜ反論できるか分かりませんが。

 

さて、これを拝見して興味深いのが、「もしも今回のコロナ禍対策として、さらにPCR検査機関を拡充するとして、コロナ禍が収まったらそこに勤務した人々の仕事がなくなるのでは」ということとの関連があります。

自動化した検査装置であってもその運用にはかなりの熟練者が必要ですのが、もしもそういった人々を雇ってもそのあとまで仕事をしていけるのかどうか。

 

今回、NATROMさんが挙げた他の感染症は、インフルエンザは別としてそこまで症例数が多くはならないのでは。

 

いまだに、「さらにPCR検査能力の拡充を」という声が大きいものですが、どうなるでしょうか。