爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

GOTOキャンペーン、誰が誰に感染させるのか。

前倒ししてまで実施しようとしている、GOTOキャンペーン、特に観光向けのトラベルキャンペーンに対し、多くの人々から批判が上がっています。

 

地方の医療体制が脆弱なところに感染者がやってきて広がったらすぐにでも医療崩壊につながりかねないといったことも指摘されていますが、観光や飲食業などの復興をすぐにでも始めたい人々がいるようです。

 

感染防止対策を十分に整えて実施といったことも言われています。

しかし、それを熟知し対策をしているはずの病院でも医師・看護師にまで感染者が出るような今回のウイルスには、素人対策で防げるとは思えません。

 

GOTOキャンペーンでどのように感染が広がるのでしょうか。

 

当然、感染しているのは都会から訪れる観光客の方でしょう。

多少の異常があっても旅行に出かけるという場合は分かり易いのですが、そうではなくほとんど発熱もないままの感染者も居るはずです。

 

彼らは、旅館などでチェックイン時に体温チェックをしても引っかかりません。

ここで第一の感染防止対策をすり抜けます。

感染者は常時ウイルスを排出しています。

唾液に多いのでしょうが、このウイルスの場合大便にも排出されるそうです。

感染者がマスクをしていれば唾液が飛び散ることだけは防げます。

しかし、迎える側の店員やホテル従業員などがマスクをしていても唾液などが細かい水滴となり浮遊していればそれを防ぐ能力はありません。

こういった排出されたウイルスは感染者の手などにも付着し、手で触れた部分にしばらくの間は生存しています。

そこに触れた未感染者がその手を自分の顔に持っていけば感染します。

これを防ぐために頻繁に消毒するということになるのですが、これも消毒頻度と感染者出現頻度の関係で、絶対に防げるということはありません。

つまり、頻繁に感染者が触れればいくら一生懸命消毒をしてもいずれはウイルスが残存してしまうということです。

 

ホテルなどはそれでも比較的しっかりとした感染防止対策ができるでしょうが、他に観光客が訪れそうな飲食店、土産物店などではそのレベルは落ちていきます。

特に多数の客が相手の店などでは完璧な対策は不可能でしょう。

店の入り口に消毒剤を置いておくなどという程度ではとても防御はできません。

さらに、店員にはフェイスシールドをさせるというところも出ていますが、感染の拡大は店員だけではありません。

混んだ店では客同士の接触ということもあり得ることで、感染した客から非感染者の客に感染するという危険性も強くなります。

このために、客同士の間隔をあけるということが言われますが、これも完全な防止にはつながりません。

 

唯一、効果的であるのは、感染者が自覚して自分からのウイルス排出の機会を減らすこと。

つまり高性能マスクを常に着装し、それ以外にも体液などが外部に漏れないようにし、自分の衣服なども洗濯前に滅菌し、といった対策をすれば他者への感染危険性をかなりのレベルまで下げることはできます。

 

しかし、そこまでやれる人が、そもそもこんな時期に観光旅行に出ようなどと思うはずもないでしょう。

やはり、何にも考えず「自分は大丈夫」というトランプ・ボルソナーロ主義者が旅行するのでしょうから、結局は全国に感染が拡大するということになりそうです。

 

なお、「夏休みに旅行に行くかどうかも自分で決められないのか」という威勢のいい意見も出ていました。

this.kiji.isフジテレビ解説委員の平井とかいう人の記事ですが、お友達への批判が集中しているのが気に入らなかったのでしょうか。

しかし、最大の問題は「夏休みに旅行に行くかどうか」は一人で決めることができますが、「旅行に来てほしくない」というのはいくら一人で言っていてもしょうがないということです。

感染していてもふらふらと遊びに来る連中を阻止するには国全体で決めなければできません。

そういったことが、東京の真ん中にいる人には分からないのでしょうか。

それとも、単に政府非難に反応しただけか。