爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

ロシアとの交渉の中で気になる部分、イージス・アショアについて

あのバカ議員の発言があろうとなかろうと、日本とロシアの外交交渉は淡々と進んでいるようです。

特に軍備と安全保障をめぐって相当な意見の違いがあるようですが、その中で「イージス・アショア」についての差異が問題となっていました。

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イージス・アショアとは、アメリカより購入して設置をするという陸上配備型迎撃ミサイルシステムであり、非常に高額なものとされています。

本が配備を進める陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を巡り、ロシア側は安全保障上の懸念を表明。日本側は「純粋に防衛的なものだ」と反論し、溝は埋まらなかった。
本が配備を進める陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を巡り、ロシア側は安全保障上の懸念を表明。日本側は「純粋に防衛的なものだ」と反論し、溝は埋まらなかった。

これについて、ロシア側は「安全保障上の懸念」という立場を表明し、日本側は「自衛のためのもの」と強弁しています。

 

イージス・アショアとは、陸上に設置して(候補地として数点あがっていますが)弾道ミサイルの発射を検知し、迎撃ミサイルを発射して撃ち落とすというものであり、日本はそれを「北朝鮮」が「日本」を狙って発射するミサイルの防衛のためとしています。

 

ロシア側が問題としているのは、それが「ロシアも含む地点から」「アメリカを狙って発射する」弾道ミサイルを撃ち落とすのが主目的ではないかという点でしょう。

 

これを日本に置けば、発射直後の早期から近い位置からの精度の高い計測が可能となり撃ち落とせる確率も高くなります。

 

日本のイージス・アショアがアメリカの防衛システムの一環として機能するということを懸念しているわけです。

 

これで、私がこのブログでその計画が発表された当時から書いていた懸念とも重なります。

「日本のイージス・アショア」(日本が金を出して日本国内に設置するから)のはずですが、「それを管理するのは誰か」ということです。

アメリカ軍との共通運用(といいながらアメリカ主導)となれば、アメリカのシステムに組み入れられるのは明らかです。

 

まあ、日米関係を考えればそうなるのもやむを得ないのかもしれませんが。

それなら「アメリカの金で設置しろ」ということです。

なおかつ、「設置場所の使用料も払え」ということも付け加えておきます。

 

ロシアとの交渉、ほとんど結果は期待できませんが、このような問題点をどんどんと明るみに出してくれる、非常に貴重な機会と思います。

それにしても、政府が何も語ることはないとは思うけれど、野党も何も言わないの。

 

ロシア側は「北方領土を日本に返還した場合、アメリカの基地を置かれる危険性」についても懸念を示していますが、日本側は「そんなことはない」と言うだけです。

日本がアメリカの軍事について何の意見も言えないということは明白ですから、これも答えにはなっていません。

まあ話が進まないのも無理はないでしょう。