かなり古い本の再読です。週刊朝日の企画で1974年から78年までに元文章を指定してパロディを募集し選者の選考で当選作を決めて掲載したものをまとめて本にしたと言うもので、84年に出版されています。
元になる文章は百人一首や雨ニモマケズ、草枕、二条河原落書など、古典から現代文まで様々のものですが、それに現代の事件などを当てはめて行ったというものです。
ちょうどその年代は自分の大学生時代に当たりますので、今となっては扱われていた事件なども懐かしいものになってしまいました。やはりちょうど田中角栄のロッキード事件が大衝撃を与えた頃ですので、それを扱った作品が多いようです。
例えば、「世をこめて汚職汚職と書かるとも見よ新潟の里はゆるせり」とか、「受けにけるニセの電話の三木おろし禿げし彼とは思わぬものを」など、忘れかけていた当時の事件が記憶によみがえります。
それにしても素人の応募者たちの文才豊かなこと。現在そのような企画をやってこのような多彩な作品が集まるものでしょうか。