爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「変な給食」幕内秀夫著

昭和30年代に小学校生活を送った身としては給食と言うのは非常に不味いもので、飲み込むのも辛いということが多かったものでした。しかも当時は絶対残させないと言う教育方針であったのか、全部食べるまでは許さないと言う先生の態度でした。最近の給食というのは非常にレベルが上がり、かえって家庭の食事よりマシだということでしたが、実態はそうでもないというこの本の趣旨です。
著者の幕内さんは栄養学を専門とされているようですが、欧米模倣の栄養学に疑問を持って活動しているとのことです。完全米飯給食を目指して啓蒙活動をしているようです。
紹介されている「変な給食献立」は現物そのままではなく、再現されたものを写真に撮って掲載されていますが、献立がミスマッチ、お菓子風、居酒屋風など、確かに見たところ変な給食と言えるものでしょう。
ただ、その「変な」感じというのはどうやらパン(それも甘い味付けのもの)や麺類(焼そば・ラーメンなど)を主体としているために、おかずと全く統一感がないためのようです。その意味でそれをご飯に代えれば相当緩和されるような気もします。
ただし、著者やその他の文章の寄稿者はそういった献立の不統一だけでなく糖分・脂肪分・食品添加物などへの嫌悪感を強く持っているようで、それらに対するちょっと不正確な攻撃がかえって論旨を曖昧にしてしまっているようにも見えます。

現在はネットで見ても各地の学校給食献立というものは公開されており、誰でも見ることができるようです。ほんの数箇所を見ただけですが、それほどひどいと言うものは無いように思いました。この本に紹介されたような給食はごく一部だけなのでしょうか。