爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

いよいよ足元に火がついてきた。八代市でコロナ感染者発生。

これまで熊本県でのコロナウイルス感染者発生は熊本市や県北がほとんどだったので、少し現実感がなかったのですが、ようやく八代市でも感染者が発生しました。

this.kiji.is小学校の教諭とその母親ということで、その学校は休校、教職員と担当の児童はPCR検査を実施だそうです。

 

感染経路はどうやらその教諭の姉からのようで、大阪から帰省したのですが感染があったようです。

 

GOTOトラベルキャンペーンで感染が広がるのではという危惧が多かったのですが、これまでのところ熊本県での感染者は観光客からというのはあまり無く、東京や大阪から帰省した家族からと言う例が多いようです。

 

今回の例もそうですが、年老いた親に会いたいがために、数か月ぶりにようやく帰省できたという人が多いのでしょう。

 

しかし、何よりも大切なはずの当の母親に非常に危険な目にあわせることになってしまいました。

悔やんでも悔やみきれないというところでしょう。

 

我が家の義兄も横浜から帰省できず、寝たきりで入院している父親に会えない日々が長く続いています。

顔を見せに来てほしいという気もあるものの、もしも感染していたらと考えるとやはり無理と言わざるを得ません。

 

私の参加しているコーラスグループの練習も、ようやく練習再開して1か月ですが継続が危なくなってきました。

どうなることやら。

コロナ対策の拙劣さで政権批判をする人が多いが、ではどうすれば良いのか。

PCR検査を増やすと言いながらさっぱり増えないとか、第二波に入っているのは間違いないのに経済収縮を怖れて何も言えないとか、さらに振り返ればアベノマスクの醜態や給付金をめぐるドタバタ、事務費用のお友達への注入など、政権の対策がめちゃくちゃなことを批判し、政権自体も批判する人が多く居ます。

 

まあそれも一々ごもっともなんですが、それではどうすれば良いのか。

そこはかなり難しいものがあるでしょう

(なお、これで別に政権擁護をしようなどという気は全くありませんので誤解ないよう願います。)

 

1.PCR検査を増やし隔離人数を増やすのか。

2.GOTOキャンペーンはどうするのか。経済活動を促進できないのか。

3.休業補償などもっと増やすのか。

 

1.PCR検査を増やし隔離人数を増やすべきなのか。

PCR検査を増やすべきだという意見はかなりの人が発しています。

ちなみに、現在の検査能力は下記の厚労省サイトによれば一日あたり33000件とか。

それに対し実際の実施人数は5200人ほどとなっています。

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最初の頃と比べればかなり増えたとはいえ、世界各国で1日当たりでも数万から数十万実施が当たり前というものと比べるとはるかに低い値です。

 

PCR検査機器自体は日本でも数多いはずですが、おそらく検査の公定法というものを厳格に順守しなければ結果が認められないということがあり、広く民間で検査と言うわけには行かないのでしょう。

 

さて、検査数増やすべしという論者たちも、検査をして陽性である人は当然ながら無症状、軽症状でもすべて隔離すべしということを言いたいのでしょう。

そうなると、今でもホテル借り上げ数が足りないと言っているのが、さらに不足することになります。

ほとんど自宅待機では、感染拡大を抑えることは難しいでしょう。

 

2.GOTOキャンペーンはどうするのか。経済活動を促進すべきなのか。

経済を何とか上向かせなければならないとして(本当の理由はともかく)ほとんど緊急事態寸前であるにも関わらずGOTOトラベルキャンペーンは動かし始めました。

 

そのせいかどうか、早くも地方に感染者が拡大、あちこちで感染者急増しています。

 

即刻GOTOキャンペーンは中止、県境を越える移動も自粛すべしという論者が多いようです。

 

これは観光がらみの産業に強く結びついたものですが、他にも様々な産業に金を廻そうというキャンペーンが企画されています。

 

まあ、このままでいけば多くの産業が壊滅しかねないという危惧は当然でしょう。

ただし、ちょっと人が動けばすぐに感染者が続発するのが現状です。

これでそれを助長するキャンペーンは危険でしょう。

 

特に、医療状況が劣悪な地方へ感染者が出かけるような事態は、東京とは違った危険性があります。

与論島では入院もできず本土へ患者をすぐに輸送しているということです。

あちこちで同様の現象が起きるでしょう。

 

3.休業補償をどうするのか。

営業自粛をさせて感染を抑え込もうという手は少しは効果があったように見えました。

これは日本ばかりでなく各国の都市封鎖も同様です。

しかし、他の感染症であればしばらくじっとしていれば消えてくれた病原体も、このウイルスはなかなかしぶといようです。

たまらずに封鎖解除をしてしまえば、また最初と同じように感染が広がっていきます。

なお、日本の場合の休業補償はそのあまりにもまずい事務処理で実際の給付が遅々として進まないというのも大きな問題ですが、金額も少なすぎてほとんど営業継続の足しにもならない程度です。

新宿のホストクラブなど、一人の客が一晩に使う程度の金額が一月分の補償額というのでは、アホらしくて手続きもする気がなくなるでしょう。

かと言って、彼らの稼ぎを丸々補償していたら東京都予算などあっという間になくなります。

 

 

さて、それならどうすればよいのか。

とはいえ、私にもこの答えは出せません。

一つの可能性は、このウイルス感染症は普通の風邪並みだといって何もしないということです。

これを仮に「トランプ・ボルソナーロ路線」と言っておきます。

すでにもう安倍政権はここに踏み込んでいるのかもしれませんが。

(なお本家のトランプはマスクをし始めたということで、腰折れかもしれません)

 

「普通の風邪」などというものは本当はないのですが、まあそういったイメージのものとして取り扱おうとしましょう。

「普通の風邪」よりかなり高い確率で重症者と死亡者が出るというのが困ったことです。

しかし、それも仕方ないこととして目をつぶらなければいけません。

そのうちに、ワクチンや治療薬ができてきて治る病気になるのでしょう。

 

もう一つはとにかく検査を広く行って、陽性者はすべて何らかの施設に隔離。

そうしておいて陰性者は通常の経済活動を行なってよいことにすることです。

全国では隔離施設が何十万人分か必要でしょう。

またもしもPCR検査済証明書などを経済活動可能のお墨付きにするのなら、検査能力も数千万は必要です。

一回だけでは意味がないので、毎週とか毎月とか検査をさせて、その陰性証明書がなければ出歩けないということにすれば安心かもしれません。

 

こういった話は「極端な状態を空想しただけ」でしょうか。

私には近い将来どちらかの方策が採られるような気がしますが。

なお、簡単なのはもちろん前者のトランプ路線です。

 

夢の話「焼酎製造工場を建設」

このところ、かつての仕事の夢を一つずつ見てきたような思いがしますが、今回はその集大成ともいえるような壮大な夢を見てしまいました。

 

とはいえ、それは昔担当した仕事そのものの夢ではなく、あり得ないような大きなものです。

 

私はどうやら会社の社長のようです。

しかし部下は一人も登場せず、自分だけしか居ません。

そんな状態ですが、大規模な焼酎製造工場を建設することになっています。

費用がいくらかかるか、10億じゃ無理だなとか50億くらいはかかるなとか、まさに「夢のような」話をしています。

 

規模も大きく、何トンもの原料を処理し仕込みに運ぶのも完全自動のベルトコンベヤー、幅が何mもあるところを大量の原料が流れるようなものです。

 

なぜか、その設備を自宅の敷地内に作ろうとしています。

もちろん現実の自宅ではなく夢の中での大邸宅なのですが。

タンクは登場しません。あくまでも原料の洗浄と浸漬、そして麹作りまでのところだけです。

よほど、かつての問題工程のイメージが強かったものと思います。

 

ここからは恒例、現実との差。

もちろん、私は社長などになったこともなく、一番上がって課長どまり(出向先で副部長どまり)でした。

社長などにはたまーに顔を合わせる程度。

ただし、酒類業界に出入りしていた頃は、よその会社の社長にはお付き合いいただいていました。

 

製造工場の建設には口惜しい思い出があり、酒類製造部門の課長だった頃に建設の調査や企画をいろいろとやったのですが、その部門から転出した後に実現しました。

自分が考えていたような新工場ができ、しばらくたってから部外者として見学したのですが、こんなところで作れたら良かったという思いだけでした。

建設費50億というのは実際でもその程度だったのでしょうか。

 

問題工程というのは、原料特にコメの浸漬と蒸煮、そして麹造りの工程でした。

これがなかなかうまく行かないので出来上がりの品質にも影響を与えていました。

結局金をかけて最新設備にしたら解消したようですが。

 

しかし、大きかった焼酎ブームもかなり冷え込んでしまったようです。

他の会社を見てもかつての熱気は見られないようで、寂しい限りです。

まあ、自分でも焼酎は少しだけ飲むようになってしまいましたが。

今では、ビール、ワイン、日本酒、ウイスキー、焼酎など少しずつ飲むようになりました。

「『天使』と『悪魔』がよくわかる本」吉永進一監修、造事務所編著

多くの宗教では、神は絶対者であるか多神教であるかにかかわらず、「天使」という存在があります。

また、神に対抗する悪の存在も既定されており、それらを「悪魔」として描いています。

 

そういった天使と悪魔、一つずつ(一人ずつ?)取り上げてざっと説明しています。

なお、構成の都合上か、「西方世界」と「東方世界」にわけて書かれていますが、一般的に言う東方と西方の分け方とは違い、「西方」はキリスト教、「東方」はそれ以外ということなので、東方世界といってもイスラム教、ヒンドゥー教はもとより、東ヨーロッパや北ヨーロッパの神話までそちらに入っています。

 

とはいえ、やはり「天使」「悪魔」が詳しく語られているのはキリスト教なので、その記述が主となります。

また、イスラム教、ユダヤ教のものはかなりキリスト教と重なりますが、だからと言って省略したりという考慮はしていないようです。

 

キリスト教の天使、ミカエル、ガブリエル、ラファエルなどというとその名を取った人名も数多いことから聞きなれたものですが、その名の天使がどういうものかということは日本ではあまり気にされていないのではないでしょうか。

ミカエルは四大天使とも大天使とも言われ、しかもその筆頭と見なされています。

その名は「神に似た者」という意味からできているそうです。

ガブリエルは「神の英雄」と言う意味で、ミカエルとならんで「旧約聖書に名が記されている」ものです。

実は、天使として旧約聖書に書かれているのはこの2人だけだそうです。

諸説ありますが、このガブリエルは「女性かもしれない」ということです。

 

インド、中国世界の天使としては、天使と言っていいのかどうかは迷いますが、帝釈天毘沙門天、韋駄天などの「天」と称される天部衆を扱っています。

仏教界での尊格としては、如来、菩薩、明王といったものがありますが、すべてが仏と見なされるとも言えますが、その中で天部衆はもともと古代インドの精霊全般が取り入れられたものと言うことなので、まあ西洋の天使と同様に扱っても良いだろうということです。

 

本書ではゾロアスター教の天使・悪魔というものも扱っています。

ゾロアスター教と言えば古代ペルシアで成立したものですが、そこで説かれる天使や悪魔は実はそれ以前の土着宗教で描かれていたもののようです。

そして、それらはユダヤ教などにも影響を与えていたのかもしれません。

そう考えれば他の宗教で描かれる天使などもそこに起源があるのかも。

 

ユダヤ教キリスト教イスラム教は一神教だと威張っていますが?、天使や悪魔を説いている場面では、どう見ても多神教的性格があるのではと思ってしまいます。

やはり、絶対神一人だけの宗教では面白くなかったのでしょうか。

 

 

FOOCOM.NET専門家コラムより、「食中毒事件と新型コロナの影響」

FOOCOM.NETに長年保健所で食品衛生監視員として勤めてこられた小暮実さんという方が書いています。

www.foocom.net昭和56年以降の食中毒発生状況がまとめられていますが、発生のピークは平成10年、その時に多かった原因はサルモネラ腸炎ビブリオでした。

その後、この2種は激減することになります。

サルモネラは鶏卵、腸炎ビブリオは鮮魚が多かったのですが、どちらも対策が進められました。

その後増えたのが、ノロウイルスカンピロバクターです。

ただし、どちらも昔は検出が難しかったということがあり、正確な数字は分かっていなかったものです。

カンピロバクターについては、肉の生食が増えたことが原因の一つであることは間違いありません。

さらにアニサキスが急増、これは理由が分かりません。

 

今年は新型コロナウイルスの感染拡大で食産業の環境も激変しました。

飲食店がテイクアウトでしのごうという動きも急で、関係者はそれによる食中毒の増加を心配していましたが、これまでのところ大きな食中毒事件発生は少ないようです。

ただし、黄色ブドウ球菌による食中毒は起こりやすい状況と言えますので、注意は必要でしょう。

 

食中毒件数はかえって減っているようですが、これには大規模な会食の減少というのが大きいようです。

専門の飲食店でも調理者のノロウイルス感染による集団食中毒の発生はこれまでもたびたび起きていましたが、その機会が減っていることが原因でしょう。

また、頻繁な手洗い励行というのも少しは影響しているのかも。

 

今後の注意点として、養鶏場などでもHACCPの取り組みでカンピロバクター汚染の軽減ということが書かれていますが、それよりもまず鶏料理専門店での生食を禁止することでしょう。

無菌養鶏場など夢のまた夢、それより有効だと思いますが。

 

 

「白村江 古代東アジア大戦の謎」遠山美都男著

「白村江」、昔の歴史授業では「はくすきのえ」と読みましたが、今は読み方が不明とあって「はくそんこう」と読んでいるそうです。

 

中大兄皇子皇位に就く頃、朝鮮半島では長く続いていた並立体制が崩れ、百済が滅亡に瀕していました。

一旦は敗れて王や王子など多数が唐に連れ去られていたのですが、百済の遺臣たちの反攻は続きます。

日本に人質として来ていた百済の王子、豊昇を送り返し王位につけて百済復興を目指し、最後の決戦として白村江で唐水軍と倭の水軍が大戦を戦います。

しかし、それで倭は大敗し百済も完全に滅亡と言うことになりました。

そのような白村江の戦いについて、詳しい経緯などをたどりました。

 

著者の遠山さんは、以前に別の本を読んだことがありました。

 

「天皇誕生 日本書紀が描いた王朝交替」遠山美都男著 - 爽風上々のブログ

その時の感想でも「日本書紀の記述だけをたどっている」と書いていますが、内容は完全に史実そのものとは言えない日本書紀の記述だけに基づいているという、独特な手法だったと言えます。

 

この本でもそれはほぼ同じです。

唐や新羅側の史料もひかれていますが、日本側の史料としては日本書紀を全面的に受け入れそれに沿った記述をしています。

 

史実として正しいのかどうかは分かりませんが、話の筋としては一本に通っており物語としても分かり易いものでしょう。

 

なお、この戦いで多くの人が戦死しましたが、他にも多数の人が唐軍の捕虜となり連れ去られて強制労働などをさせられました。

しかし、その後唐新羅の関係が悪化したことにより、唐は倭との関係改善を望んで捕虜の送還などを行ったというのは両者の記録からも事実のようです。

それでも日本に帰還できたのが数十年も経ってからという人もあり、大変な苦労をしたのでしょう。

 

この戦いは、普通の解釈では「唐の圧倒的な軍事力に蹴散らされた倭はその後政治体制の整備や軍事力増強に努めた」ということになりますが、本書では違います。

何より、その戦いに臨んだ軍船の数が唐側170艘に対し、倭軍は400艘以上であったようです。

その船の装備に大差があったとも考えられますが、実際はそれほど差がなかったようです。

逆に、倭軍側があまりの戦力差に油断し、さらに統率体制がまったく整っていなかったことが圧倒的な敗戦の理由だったとされています。

いずれにせよ、このあと百済の人々が数多く日本に逃れてきてその後の日本で大きな勢力となりました。

 

この大きな歴史の転換点、もう一度見直してもよいことかもしれません。

 

白村江 (講談社現代新書)

白村江 (講談社現代新書)

 

 

オリンピック開催まであと1年?

2020東京オリンピックが開催されるはずだった日が過ぎ、一応の予定までちょうど1年ということで、あれこれと報道されていますが、さすがに開催可能性については高いとは見られていないようです。

news.yahoo.co.jp

世界的にも来年のオリンピック開催などは話題にも上がらないようです。

2024年の開催予定のパリが不安を抱えているというのがニュースになるくらいで、もう東京は中止という予測がもっぱらなのかもしれません。

www.nikkansports.com

日本でも感染者確認が急増し、第二波到来ではと言われていますが、アメリカや南米などではまだ第一波で増加し続けている状態です。

 

有効なワクチンと治療薬の供給体制実現がカギだとも言われていましたが、ワクチンは出荷に至るという見通しですがそれが本当に有効かどうかの確認もできません。

まして、効果のある治療薬などはまったく見えていない状況です。

 

ヨーロッパや東アジアなどは何とか来年までには感染が抑え込めるかもしれません。

しかし、オリンピックは世界中の人々が参加できなければ意味がありません。

南米やアフリカはまだ感染が続いているから受け入れ拒否などと言うことはできません。

最終の判断は来年の3月くらいでもと言われていますが、傷をできるだけ広げないためには早目の決断(もちろん中止の)が必要なのでは。