爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

FOOCOM.NET専門家コラムより、「食中毒事件と新型コロナの影響」

FOOCOM.NETに長年保健所で食品衛生監視員として勤めてこられた小暮実さんという方が書いています。

www.foocom.net昭和56年以降の食中毒発生状況がまとめられていますが、発生のピークは平成10年、その時に多かった原因はサルモネラ腸炎ビブリオでした。

その後、この2種は激減することになります。

サルモネラは鶏卵、腸炎ビブリオは鮮魚が多かったのですが、どちらも対策が進められました。

その後増えたのが、ノロウイルスカンピロバクターです。

ただし、どちらも昔は検出が難しかったということがあり、正確な数字は分かっていなかったものです。

カンピロバクターについては、肉の生食が増えたことが原因の一つであることは間違いありません。

さらにアニサキスが急増、これは理由が分かりません。

 

今年は新型コロナウイルスの感染拡大で食産業の環境も激変しました。

飲食店がテイクアウトでしのごうという動きも急で、関係者はそれによる食中毒の増加を心配していましたが、これまでのところ大きな食中毒事件発生は少ないようです。

ただし、黄色ブドウ球菌による食中毒は起こりやすい状況と言えますので、注意は必要でしょう。

 

食中毒件数はかえって減っているようですが、これには大規模な会食の減少というのが大きいようです。

専門の飲食店でも調理者のノロウイルス感染による集団食中毒の発生はこれまでもたびたび起きていましたが、その機会が減っていることが原因でしょう。

また、頻繁な手洗い励行というのも少しは影響しているのかも。

 

今後の注意点として、養鶏場などでもHACCPの取り組みでカンピロバクター汚染の軽減ということが書かれていますが、それよりもまず鶏料理専門店での生食を禁止することでしょう。

無菌養鶏場など夢のまた夢、それより有効だと思いますが。