爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「内田樹の研究室」より「『ネット右翼とは何か』書評」

内田さんが「ネット右翼とは何か」と言う本の書評を「赤旗」に書いたそうですが、それに少し書き足したものをブログに掲載されました。

blog.tatsuru.com

この本は樋口直人さんなどの共著で青弓社から今年出版されたものです。

 

内田さんの読後感は好意的なようですが、中で一つ引用されていたのは、ネット右翼の人々の「語り口の定型性」というものでした。

私は語り口が定型的であることは書き手の知性の否定的指標だと思い込んでいたが、話は逆らしい。この定型性は意図的に構築されているのである

私自身はあまりネット右翼という人々の文章を見ることはありませんので、どのような定型性があるのかはっきりとは知りませんが、おそらく典型的なものがあるのでしょう。

そして、この本ではそれは「定型性は意図的に構築されている」と説明されています。

 

 定型的な言葉づかいを繰り返しネット上にまき散らすこと「特定のトピックを際立たせるための効果的な戦略」であり、botを利用すれば、特定の政治的争点について、イデオロギー的には親和的だが、それまで組織的には無縁だった人たちを結びつけて、彼らを巨大な「世論選好のクラスター」にまとめあげることができる。

こういった文章をまき散らすということは、意識的に世論を誘導しようとする行為なのだとか。

 

さらに、これは安倍政権の成功の要因ともつながっているという指摘です。

 

確かにそうなんだろうなと納得させられる思いです。

それに対するにはどうすれば良いのか。

理性的な論破などしてもなんの効果もないということなんでしょうか。