エタノールを混合したガソリン(E10)を使用した方が環境に良いなどといった言説が流れています。
アメリカではそれが普通だ(ちょっと昔風な言い回し)などと言われることもありますが。
ここで「バイオエタノール」と言われているのが、トウモロコシやサトウキビから取られたエタノールです。
また例の「植物由来」だから二酸化炭素は出さないということで、あたかも「環境に良い」などと言われているわけです。
しかしトウモロコシやサトウキビなどと言う、食料と競合するようなものを自動車を動かすだけの燃料に使うのは良い事なのかどうかということには、多くの人が薄々とは気が付いているはずです。
この同じ論法はSAFと呼ばれる航空燃料にも頻発されます。
こちらは、木材由来だとか、海藻由来だとか。
食用油の廃油由来というのはまあ少し違いますが、そもそも圧倒的に量が少ない。
エタノールを作り出すのは酵母ですが、酵母はショ糖より小さい分子の糖分を発酵させてエタノールにします。
そのため、サトウキビにはショ糖が含まれているのでそのまま発酵できますが、トウモロコシなどのデンプン質原料の場合は酵素を加えて分解してから酵母発酵することとなります。
木材や海藻もそのままでは発酵できないので酵素分解をしてから同様に発酵させます。
発酵後のエタノール液はせいぜい数%の濃度ですので、そのままでは燃料にはできないため蒸留します。
蒸留と言うのは、通常は連続式蒸留器に蒸気を供給しそれに希薄エタノール液を注入、連続的に蒸発させては液化することを繰り返しエタノールを濃縮していき最終的には95.8%の濃度にまで持っていくわけです。
ここで使う蒸気は大量に必要なのですが、ブラジルやアメリカの工場では発酵に使えない植物成分を燃焼させて作り出すので追加の化石燃料は不要ということは聞いたことがあります。
しかし、食料競合というだけでなく、植物栽培の場合はそれに費やす水分、肥料成分の問題があります。
アメリカでは農産物の製造に大量の地下水を使っており、やがて枯渇する危険性があります。
また植物成長に必要な肥料用元素は循環させなければやがては成育不良に陥ります。
つまり、食料生産の場合にも起こりうる問題が燃料用などに使われることでより早期に露呈する危険性が大きくなるということです。
どうやら環境にとって非常に問題なのが「バイオエタノール」であるというのは間違いないことです。
そんなものを混入したエタノール混合ガソリンなどと言うものはこれ以上広がらないようにすべきでしょう。