爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「空撮九州」岩尾雄四郎著

著者の岩尾さんは地質学者で佐賀大学で長く研究をしてきたのですが、それと共に小型飛行機の操縦免許も取り空撮を数多くしてきたそうです。

そんな写真の中から九州の様々な空からの眺めを対象ごとにまとめて示したのが本書です。

 

地形や地質に関するものでは、火山、地殻変動地形、地質の反映地形、海流の作用地形、河川湖の作用地形、重力の土石移動、人間の働きといった項目ごとに示されています。

そればかりでなく、人間が作った施設などの空撮写真も収められており、城や漁業養殖の風景なども興味深い風景です。

 

数々の地震を引き起こした断層が現在の地形に反映しているということは知識としては知っており、地図でも見たことはありますが、それを空撮写真で見るとさらによく分かります。

熊本地震を引き起こした布田川断層の端に接しそこから南西方向に延びる日奈久断層というものがあります。

その断層崖が八代市の東側に連なる山なのですが、それが非常に分かりやすい空撮となっています。

 

九州には半島や島をつなぐ橋も多数架かっていますが、それも空撮の対象としては面白いものです。

長崎市の湾口にかけられた女神大橋というのもきれいな橋ですが、その写真が建設中のものと完成後とが掲載されていました。

新西海橋の建設中の光景も見事なものです。

 

見ているだけでも楽しくなるような写真ばかりでした。