我が家購読の熊本日日新聞の社説「射程」欄に掲載されていた意見です。
kumanichi.comこの記事は会員以外には見ることができないようですので、内容も引用します。
自民党は単独でも過半数、公明党も合わせれば圧倒的多数の議席を確保していますが、絶対得票率というものを見るとその印象は大きく変わります。
前回総選挙での有効投票数に占める自民党の得票率は48%、一方野党の立憲民主党は30%でした。
小選挙区制で一位のみが当選する制度のため、これでも自民党は圧倒多数の議席を獲得できます。
ただし、これはあくまでも「相対得票率」です。
それでは有権者全体を分母とする「絶対得票率」ではどうなるか。
自民党の得票率は小選挙区で26%、比例代表で19%だったそうです。
これで「信任された」「みそぎは済んだ」などと言うことができるのか。
もちろん、こういった低い得票率でも議席が取れる理由には50%に満たないという投票率の低さが関係してきます。
国民の政治に対する意識の低さがこういった事態をもたらしているということです。
熊日新聞はこのように国民の政治意識についての指摘で結んでいますが、やはり最大の問題は小選挙区制という選挙制度でしょう。
何の良い点もないと言えるほどひどい制度だと思います。
一票でも上回ればいかに低い得票率であっても議席が取れる。
(比例代表重複立候補なんていうのはさらにひどい制度ですが、それはさておき)
さらに自民党で顕著なのが党首や執行部の圧力が強まり、党内の民主制が損なわれていること。
人口比を理由としているために頻繁に選挙区の改変が行われることで、議員と地域のつながりが薄れる。等々です。
思えばかつて、金権政治の批判が強まった時に、あたかも小選挙区制にすればそれまで改善されるかのようにごまかして導入されたものと言えます。
政権交代が容易になるなどとも言われました。
その最初からおかしかった制度ですが、もう欠点ばかりが増大しています。
選挙制度改革は、それで利権を得ている議員たちに任せていては進みません。
国民の声を結集させる必要があるでしょう。
しかし、やはりと言うべきか、現在の選挙の公約にそれを取り上げる政党は無いようです。