爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

石炭火力廃止の動きの裏で起きていること。

石炭は二酸化炭素排出量が多いということで、石炭離れが「世界中」で起きているかのように言われています。

しかし、世界有数の石炭産出国でもあるアメリカの石炭輸出量が公表されています。

agora-web.jpそこに見られるのは、確かにヨーロッパ向け輸出量はかなり減少しているものの、アジア・アフリカ向けで急増しているということです。

 

アジアは中国とインド、アフリカはエジプトとモロッコがほとんどだとか。

 

「公式発表」に基づいた話では、中国も石炭火力から再エネ電力へ転換しているなどと言われることもありますが、実際にはこの石炭を火力発電に使っているのは明白であり、それで得た安い電力でさらに製造業の生産性をあげているのでしょう。

 

インドもその成長力を支えるのは石炭火力発電以外にはあり得ず、欧米から何を言われてもそれを変えるつもりはないのが明らかです。

 

アフリカのエジプトとモロッコは、どちらもかつて国連気候変動条約の年次総会(COP)の開催国を勤めました。

そういった外交的なポーズの裏には石炭火力をしなければ電力確保ができないという事情が隠れています。

 

これはアメリカ1国の輸出動向ですが、他の石炭輸出国でも同様でしょう。

「世界情勢」というものは、あまり表で言われていることを信じない方が良さそうです。