トレーニングジムで有名なRIZAPが実は業績不振だそうです。
それについて経営学者の中川功一さんという方が東洋経済オンラインで解説していました。
toyokeizai.netライザップが業績不振といっても信じられないかもしれません。
その新しい業態チョコザップは頻繁にCMをやっていますし、会員数もうなぎ上りに増加しています。
しかしその業績報告を見れば明らかに厳しい経営状況のようです。
2024年3月期の有価証券報告書では、ライザップは「継続企業の前提について重要な問題があることを記載しなければならなかった」つまり経営状況は危機的だったということです。
それがようやくSOPMOホールディングスから300億円の出資を受け、資本を増やしたことで救われました。
手軽なジムということで業界の常識を覆したチョコザップは店舗数1500,会員も100万人を越えたということです。
しかしそれに対して掛けられた経費が大きすぎるようです。
引用されている2024年3月期の営業損益によれば、(単位億円)売上高1662、売上原価845,販管費831、営業損益ー5、ということです。
企業が儲からない原因は簡単に言って次の3つ。
①売り上げが足りないから②売上原価が高いから③販管費が高いから
そしてライザップの場合は明らかに3の販管費が多すぎるからということです。
販管費の多くはテレビCM費用でしょう。
それが50%を超えるというのは異常事態です。
もちろん、チョコザップという新しい業態を周知させるにはある程度のCMは必要でしょうが、それにしても多すぎ。
中川さんが例としてあげているように、
Amazonも無印良品もTSUTAYAも。気がつけば、かつてはTVCMの常連であったナイキも、ほとんどマス広告を行わなくなった。
初期に無名のものを売り出すにはある程度のCMは必要でしょうが行き渡ればそれ以上は無駄です。
中川さんはTVCMに頼る販売戦略を「焼き畑農業」と例えています。
それは結局、「製品競争力が十分ではない」ことを意味しているからです。
さて、これでライザップの戦略が転換するのかどうか。
見ものです。
なお、TVCMの費用については、昔勤めていたボロ会社でも大きな問題がありました。
全国的にも目新しい商品を売り出すこととなり、会社の規模にも見合わないCM戦略を打ち出し、しょっちゅうCMが流れるような状態にしてしまいました。
それである程度製品は売れたのですが、そのCM費用が後々まで重くのしかかりました。
それが結局は巨大企業に完全子会社化される遠因にもなっていたのでしょう。