最近筒井康隆さんの随筆などを読んでいて、筒井さんが大江健三郎さんに非常に大きな影響を受け、特にその「同時代ゲーム」を高く評価していたということを知りました。
そこで思い当たったのが、「この本は持っていたはず」ということです。
単行本は1979年出版ですが、文庫本は1984年、そして「今月の新刊」という帯がそのまま残っていますのでその頃に買ったものと思います。
ただし、読み通したという覚えが全くありません。
筒井さんの文章にも「最初の部分は非常に難解だがそのうちに分かるようになる」とありましたので、それを頼りに読んでみることとしました。
ただし読み通した後の感想では「やっぱり全部難解だった」というところです。
主人公が双生児の妹に送った書簡形式で書かれていますが、その中で語られているのは四国の山中に半ば独立国のように作られた〈村=国家=小宇宙〉の話とそれが大日本帝国陸軍と戦争をするという展開なのですが、詳細な部分をさらに細かく描写していくということでそのうちにごちゃごちゃしてきてわからなくなります。
特に寝室の枕元に置いて眠るまで読んでいたので、すぐに眠くなり一日のほんの数ページしか進まず、かなり長くかかりました。
睡眠導入剤としては非常に優れた本だったようです。