トヨタをはじめ日本の自動車メーカーはEV化で中国などに後れを取っていると言われていますが、電池を「全固体電池」とすることで逆転を狙うということです。
このたび出光興産と協業化を行ない実現を急ぐということですが。
それにしても専門のチームを設けるということですが、「数十名規模」というのは大したものでは無いということを宣言しているようなものです。
全固体電池の利点は充電時間が短縮されること、充電容量を増やせるということのようです。
しかし基本的な構成はリチウムイオン電池と同様ということで、EVの最大の問題点である貴重資源の確保という点ではあまり変わりはないようです。
ev-tech.jp自動車のEV化ということがもはや既定方針のように言われ、年月を限ってそれまでにすべてEV化されるようなことになっていますが、どうしても疑問を持たざるを得ないのがその資源供給の問題です。
リチウムイオンと言われるようにリチウムが主要材料でしょうが、他にも多くのレアメタルが必要なようで、現在の自動車のすべてをEVに置き換えるにもそれだけの資源をどうやって確保するのかというのが大きな問題でしょう。
全固体電池というからその問題も大きく変化するのかと思ったらそうでもないようです。
リチウムはレアではありませんが、その採掘や精錬には非常に大きな環境負荷がかかり、そういったことを全く無視してコストダウンをはかっている中国には他の産地はかなわずに撤退させられています。
中国の資源支配を防ごうと各国の生産を増やそうとしていますがそれも環境破壊の広がりにつながるだけでしょう。
他のレアメタルも中国支配の物が多いようです。
www.enecho.meti.go.jpニッケルは生産量は多いものの既存の使用先への量が多くバッテリー用にはまだ振り向けられていません。
コバルトはコンゴ民主共和国のみに産し供給が不安定になる危険性があります。
グラファイト、ジジム、ジスブロシウムは埋蔵量は豊富だが採掘はほぼ中国のみ。世界の対応が遅れているのはコストの問題でしょう。
現在のまだEV供給割合が低い状況でもこのありさまです。
増えてくればさらに資源の奪い合いになるのは目に見えるのですが、その危険性をどう判断しているのでしょうか。
現在のような自動車社会が成立したのは、現行の内燃機関自動車というものがほぼ鉄だけ、(その他の資源も何とか供給可能だった)だからという要素がかなり大きいものでしょう。
レアメタルなどの貴重資源が必須という状況は危ういものです。
しかもこういった電池関係の資源はEVだけでなく発電や充電などの他の電力産業とも重なっており資源の奪い合いが激化する可能性があります。
どこかの時点でこういった問題点がいきなり明らかになって社会不安が広がらないか。
その危険性は大きいものと思います。