永井さんのブログでは今回もリスク学とは少し離れて社会的な問題を取り上げています。
それが「なにかしなくちゃ症候群」
世の中の様々な問題に対し、本当に効果のある対策を考えてやるのではなく、目立つようなことばかりやりたがるという風潮のことです。
これは実は私も前から思っていて自分のブログで時折触れていたことともかなり重なっています。
特に政府や行政、企業などでは「何もしていない」と思われることに対しての警戒感が強すぎるのか、こういった「目立つ対策」に走る傾向があるようです。
なお、「なにかしなくちゃ症候群」とはあまり聞かない言葉ですが、英語で「Do something syndrome」(DSS)はそこそこ使われているそうです。
日本ではそういった自覚も進んでいないのでしょう。
永井さんは「行政」「企業」「市民」に分けてその実例を分析しています。
「行政」では新型コロナウイルス流行時の、わざとらしい消毒風景。
レジ袋有料化。レジ袋よりマイバッグ。
給食で有機野菜。
「企業」では、プラスチックストローをやめて紙ストロー。
なお、紙ストローの方がPFASが多く含まれていたという話もあるそうです。
化学物質についてもとりあえず「○○は使っていません」と話題になった物質は使わず、その代わりに危険性不明の物質を使ってしまうこと。
「市民」では、フードロス削減のために規格外野菜の使用。
”困っている人に救いの手を”という活動。
こういった問題が「グリーンウォッシュ」(最近ではSDGsウォッシュとも言うそうです)というものに通じています。
私も前から書き続けていますが、「何かやるならまず頭を使え」ということと共通している問題点と思います。
私が言い続けているものでは「できることから少しずつ」というのもありますが、とにかく全体を見回して考えてみるという意識が全く無い人が多すぎるようです。