またまたリスク学者永井孝志さんのブログよりの引用です。
引用回数が多いようですが、とにかく興味深い内容を掲載されていますので、どうしても取り上げたくなります。
今回は、「マイクロプラスチックの放出で最大の問題は自動車タイヤの摩耗塵」だというものです。
廃棄プラスチックの破片、ナノプラスチックなどとも呼ばれますが、それが環境問題でかなり大きな比重を占めると言われています。
しかし、その発生源という話になると相変わらずレジ袋やストローといった、細かい話になってしまいます。
ところがその発生量というものを見ていくと明らかに最大量がタイヤの摩耗です。
なお、タイヤはゴムなのではと思いがちですが、現在のタイヤは合成ゴムでプラスチックそのものです。
その下に主なプラスチック類の排出量データが掲載されていますが、タイヤが圧倒的大量で1228g/年/人、次いで廃棄物漏洩で302、摩耗アスファルトで228、大きく取り上げられる包装プラスチックは99(単位はすべて同じ)で8位となっています。
ここまで圧倒的な排出量であることは明白ですが、それがあまり問題化されていない理由も考察されています。
ここまで書くと、タイヤ摩耗塵がなぜレジ袋やペットボトルのようにやり玉にあがってこなかったのか、不思議に思われます。この原因としては以下の3つが考えられます:
1.クルマは便利すぎて悪いものというイメージがないから
2.目立たないから
3.わかっててもどうにもならないから
特にこの1の「車は便利すぎて悪いものというイメージがない」というのは大きな理由でしょう。
車を原因とした多くの死亡事故があっても車の便利さでそれが見えなくなりがちの様です。
さらに、タイヤに酸化防止剤として添加されている6-PPD という物質の毒性も問題となるようです。
なお、6-PPD はN-(1,3-dimethylbutyl)-N′-phenyl-p-phenylenediamine (6PPD)
という化合物ですが、まあ詳しくは分からなくでも何となく有機化合物ということが分かります。
さらにこの6-PPDが環境中で6-PPDキノンという物質に変化するのですが、この物質が特にサケ科の魚に対して強い毒性を発揮するというデータが出つつあるようです。
こういったリスクをきちんと評価すべきなのでしょうが、とにかく現状では上記の理由であまり取り上げれれない状況であるようです。
しかし、こういった話題が次々と登場するので、どうしても永井さんのブログには惹きつけられます。