爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「節電のために家電製品買い替え」はどの程度なら成り立つか。

電気代が高騰しているということもあり、今年は例年にも増して「節電のために家電製品の買い替え」という話が広まっています。

特にエアコンや冷蔵庫などで頻繁に言われていますが、「でもまだ使えるものを捨てて替えるのももったいない」という思いもある人が多いのでは。

 

これを判断する基準は金額的コストでいえば(節電で節約できる電気代×買い替えを早めた年月)が(家電製品の価格×買い替えを早めた年月÷家電の寿命)より大きいかどうかです。

 

ただし、よく言われているような「二酸化炭素排出量」、≒「エネルギー総使用量」を考えれば、少し違った表現をしなければなりません。

 

(家電製品を買い替えたことで節約できる運転エネルギー×早めに買い替えた年月)が(家電製品の製造と廃棄にかかるエネルギー×寿命より早く買い替えた分の年月)という「買い替えによるエネルギー損失」を考えなければならないと思います。

まだ使えるはずの家電を少し早めに買い替えるのですから、それにより製造と廃棄のエネルギーも家電寿命とそれを少し短めに買い替えたことにより過大に発生します。

 

これは庶民感覚で「もったいない」というものとかなり共通した内容と思いますが、あまり考慮されていないのではないか。

電気代が年何千円節約という話ばかりが大きく語られますが、寿命前の家電を早めに捨てて廃棄することによるエネルギー損失を語ることはあまりありません。

 

前々から疑っていることがあります。

実はこのような家電製品ばかりでなく、他のすべての製品について、「それの製造・廃棄を含め必要となるエネルギーがどれほどか」ということを、誰も正確に算定していないのではないかということです。

これは製造メーカーの技術者、研究者だけでなく、エネルギー問題の研究者などでも同様でしょう。

その製品を作るのに使われている、例えば小さなネジ一本でもそれを作るのにどの程度のエネルギーが費やされているか、それを算定されているのでしょうか。

下手をすると製造エネルギーとして算定されているのは、せいぜい製造メーカーの工場の光熱費だけなのではないか。

つまり、これらの必要エネルギーは過小評価されているのではないかという疑いです。

これを正確に考えていくということが、これからのエネルギー問題に最重要だと思うのですが。