爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

維新の会は「加速主義」という内田樹さんの指摘

大阪を中心として勢力を伸ばしている日本維新の会が姿を現して15年になるそうですが、それについてある講演会で内田さんが語ったということです。

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維新の会が大阪の市政、府政を握ってからかなりの時間が経過しますが、その現状は決して良いとは言えないというのは、大方の人の見解でしょう。

しかしそれにもかかわらず大阪を中心に確固たる勢力を維持できるのはなぜか。

 

内田さんはこれに対し、「大阪の人たちは維新政治の内情を知らないからだ」という意見には同意しません。

それは「加速主義」という政治思想だということです。

 

加速主義とはアメリカでも2010年代以降広がっているものですが、資本主義はすでに末期的症状を呈し、終焉に向かっているが、それを部分的にでも改良しようとするとかえって抜本的な解決につながらないので、より速く破滅に向かわせようとするものだということです。

多くの問題が「待ったなし」だといってスピード感だけを追い求める、それが加速主義の現れだということですが、さてどうでしょう。

 

もちろん維新の会としてはそのような見解には同意しないでしょう。

しかしこれもまでも加速主義とは言わなくても、社会矛盾の解決にはそれを究極まで推し進めることが必要といった意見は左翼過激派などで語られていました。

社会矛盾にもみくちゃにされる庶民にとっては迷惑な話です。

どれだけ遅々として進まず、打開が難しいように思えても少しずつ対話を進めて一歩ずつ前に出るというのが望ましい方策だと思うのですが、有権者自らが加速を求めるようになってはそこに向かうしかないのでしょうか。