岸田首相が言っていた「異次元の少子化対策」の「たたき台」とやらが発表されました。
なお、「少子化対策」自体の必要性にも疑問はありますが、それはひとまず置いておいて、この政府発表試案の的外れ、ショボさ、見当違いのみを挙げてみたいと思います。
どうやら「児童手当」「保育」「育休」というのがその主たる内容のようです。
確かにこれらがあまりにもお粗末だったのが日本の制度ですが、これをやったからと言って「少子化対策」すなわち子供を産もうという気になるのかどうか。
子供を産めないというのが経済的側面が強いとは言われていますが、それは児童手当の若干の増加程度で解消できるようなものでしょうか。
そもそも収入の極めて低い非正規雇用などでしか働けない若年者がいること自体が問題であって、彼らに若干の児童手当などを支給したところでその気になれるはずもありません。
例えば子供一人いれば月20万円と言われれば考えても良いかもしれませんが、桁が違うでしょう。
保育の充実は、こんなことを言っている前に早くやれよといったところで、何でこれまでやってないのと言うだけの話です。
育休に至っては、そもそも育休が取れる可能性がある人自体、限られた範囲でしょう。
女性でも育休が取れない非正規雇用といった人々は数多くいます。
まして、男性の育休など公務員や大企業社員といった人にしか関係がないと思われています。
まあ、最初から「異次元」なんていう言葉が出た時点であやしいとは思っていました。
あの「異次元の金融緩和」なんていう政策は政府や日銀の異次元のバカさ加減を示しただけですが、この「異次元の少子化対策」はそこまでも行かず、あまりにも小型、ケチ臭さを言葉だけで飾るだけのものでしょう。
そもそも、今回出てきた方策もこれまで何年にもわたって出ては消えしてきたものの焼き直しのようです。
これまでは財源が無いという口実で葬り去ってきました。
今回はどうやって実施するつもりでしょうか。