爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

翻訳アプリ、VoiceTraについて、その他あれこれ

スマホにインストールして使える翻訳アプリ、VoiceTraというものの紹介が新聞にも載っていたので、試しに入れてみました。

NICT(独立研究開発法人情報通信研究機構)というところが研究開発のために作ったというもので、まあ使い勝手はともかく変なものではないだろうと思ってのことです。

voicetra.nict.go.jp

 

インストール、使用共に無料で、31言語を翻訳できるというもの。

その対象は主に観光客対応などと感じられ、それほど複雑な文章の翻訳ではなく簡単な場面での使用ということでしょうか。

 

マイクボタンが大きく下部中央にあり、それを押して話すとすぐに翻訳してくれて音声で出てきます。

自動対応というのが英語や中国語、韓国語、フランス語等となっており、その他はどういう使い方になるのかはまだ分かっていません。(使いようがないので)

 

使用にはインターネット環境が不可欠ということで、海外で使う場合にも何とかネット接続をしないと駄目のようです。

 

複雑で長い文章は難しいのかもしれませんが、「空港行きのバスはどこから出るのか」とか「ホテルにはどう行くのか」といった道案内などは全く問題なくすぐに翻訳できるようです。

 

なお、「日本語で入力」する場合に発音によって違いが出るのではないかと思いましたが、「牡蠣」と「柿」の違いがなかなか判別してくれませんでした。

私は一応関東地方出身で東京アクセントは間違いなく使い分けられると思いますが、それでも難しいのでしょう。

 

そこでハタと気が付いたのが、「外国語入力をしてみたら自分の語学力も判定できるのでは」ということです。

 

日本語から外国語の場面でもワンタッチで逆方向に変えられます。

そこで、一応長年勉強してきた英語とフランス語でどの程度機械が受け付けるかやってみました。

まあ簡単な文章だけなんですが、英語は結構思った通りの文章が入力できていますが、フランス語は大学教養の2年だけ習ったのみなので、ほとんど役立たずのようです。

 

まあ、観光客がまた増えてきて、この田舎にもクルーズ船のツアーが戻ってきたら何か使えるかもしれません。

そういった人たちはほとんど英語もしゃべれないので中国語などが使えれば有用かもしれません。

 

さて、そこで思い出したのが、現在の中高生などへの英語教育についてのことです。

数年前まで中高生の勉強をみるということをしていて、今の英語教育の一端も見ていたのですが、かなりの時間が「英語での会話」に費やされていました。

それも、かつてのようにある程度文法教育をやってからというのではなく、かなり早い時期から会話文をどんどんと教え込むというもののようです。

そこでは内容を理解していくなどという手続きを取らず、とにかく文章を丸暗記させるといったものにしか見えませんでした。

英語を生徒に教え込んで何を目指すのか。

そのビジョンが「観光客相手の道案内や商売」ではかつての植民地国家と変わりません。

しかも、今日本に来る観光客のほとんどは英語話者ではないということも考慮すれば学校英語教育など何の意味も無くなることになります。

そして、その唯一の目標がこのような翻訳アプリがあれば不要となりかねないということでしょう。

 

翻訳アプリにも他にも多くのものがあり、無料有料は言うまでも無く、専用の機材を用いて高価格ながら高機能というものもあるようです。

無料の観光向けのこのアプリでも多くの使い道がありそうですから、有料でももっと高機能のものであればある程度ビジネス使用も可能かもしれません。

しかもこういったアプリの性能は刻一刻向上しているようです。

その内にマイクとイヤホン一体型で装着すればほぼ同時通訳と同じといったものになりそうです。

バベルの塔以来異民族との会話が難しくなってしまった人類の相互の意思疎通がこれで解決に向かうのでしょうか。