爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「空飛ぶクルマ」なんて本当に実用化できると思っているの。

ドローンが飛び回るようになっていますが、それをバカでかくしたような「空飛ぶクルマ」がニュースのも出てくるようになりました。

www.nikkei.com

2年後の大阪万博(これも開かれること自体忘れていました)で実際に事業として動かすということですが、それに5社を運行事業者として指定したということです。

 

「空飛ぶクルマ」といってもヘリコプターのようなものではなく、電動のドローン巨大化と言ったイメージそのもののようです。

 

当然ながら、ヘリコプターのような厳しい訓練を受けたパイロットしか操縦できないというものではなく、自動運転化を前提としたもののようですが、誰もが「そんなもの本当に安全なの」という危惧を持つでしょう。

 

The Owner というサイトに詳しい解説が載っていました。

the-owner.jp

やはり電動化と自動運転というのが要件となるようで、ヘリコプターのような回転翼タイプと翼を持つセスナのようなものとがあるようですが、やはり回転翼タイプが主流となるのでしょう。

 

バッテリーの容量が最大の問題と思いますが、やはり一回の飛行は数十分までのようで、飛行機の代替となり得るものではなく、都市内の交通にしか使えないものでしょう。

 

上記記事には「実用に向けてのデメリット」として、安全性の問題、騒音の問題、操作性の問題が挙げられていました。

操作性、安全性については現在の自動化運転技術ではまだかなり問題がありそうで、相当な技術開発の必要がありそうです。

また都市内交通に多数のものが使われるとなれば騒音もかなりひどくなるようで、これも大問題となりそうです。

また、価格も現在ではとても実用化にはほど遠い高価格となるようで、「大量生産でコスト削減」しなければ普及も難しそうです。

 

しかし本当の問題点はそんな所じゃないでしょう。

こんなものは資源の無駄遣いでしかありません。

蓄電池供給の問題は電動自動車の普及にも大きな枷となるものであり、これは自動車用だけを取ってみても越えられないものだと思っていますが、それにさらにこのような玩具を付け加えられるだけの余裕はあるはずもありません。

さらに機体は非常な軽量化が不可欠でしょうが、それに要する資源も莫大なものでしょう。

自動化運転技術にしても、まず自動車を完成させてからにしてよというところでしょうか。

「今から始めなければ間に合わない」とでも言いたいのでしょうが、それでもまだ何十年もかかる技術のように思いますが。

 

「もしも実用化できたら」、一回の飛行ごとに充電するための設備と充電時間が必要なようです。

それだけ見ても「とても実用化などとは言えない」と思うのですが、そういった運用状況を想像するということができない人ばかりのようです。

とにかく、このようなバカげたことを出してくるのは、現在の都市交通が大量の自動車で満杯となり渋滞で二進も三進も行かなくなっているからということでしょうが、そちらを何とか片づけるのが先決でしょう。

様々な鉄道や路面電車といった方策を取る方がはるかに現実的です。

さらに最も基本的なことは「都市集中を方向転換」することです。

こんな危険な状態は交通問題だけではありません。

地震や気象災害、戦争の危険性なども考えると、狭い日本でもできるだけ分散することが必須なのですが、それを考える能力のある人はいないのでしょう。

 

「資源の無駄遣い」と書きましたが、こんなものに有能な人間を無駄遣いするということも考えなければなりません。

もう何もかも余裕の無くなっているのが日本なのでしょうが、こんなお遊びをしている暇はないでしょう。