爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「空飛ぶクルマ」の開発加速?そんな怖いことよくやりますな。

「空飛ぶクルマ」の開発が加速しているそうです。

jidounten-lab.com

ドローンの技術が進みそれに人も乗せてやれということなんでしょうが、よくそんな怖いことができるもんだと言うのが感想です。

 

内燃機関を使った通常の飛行機の小型化という方向も考えられますが、ここで言われていうのはあくまでも「電気を使った」ものを指すようです。

 

しかし、どこにでも書いてありますが、問題は「管制とエネルギー」でしょう。

 

飛行機の管制システムのようなきちんとした形で飛行許可などと言っていたら、利便性がほとんど無くなるでしょうから、できるだけ好い加減なやり方で飛ばせるということでしょうが、それでは衝突や墜落の危険性が大きすぎますので、AIとやらを使って衝突回避をさせようということでしょう。

そんなにうまく行くものなのか。

 

やりたがる連中は後から後から湧いてくるでしょうが、安全性を考えるのは中々進みません。

政府も経済成長とばかり喜ばずにそちらの方をしっかりと考えてほしいものですが、まず無理でしょう。

 

電気で飛ばせるとなれば、バッテリーが大問題となります。

 

Gigazineで記事になっていた「電気飛行機の実用化」の記事は、このような小型電気飛行機ばかりではなく、大型のものの可能性も論じたものでした。

gigazine.net大きな問題がやはりバッテリーの「エネルギー密度」すなわちエネルギー源の容積の問題です。

現状で最高のバッテリーのリチウムイオンバッテリーでも、そのエネルギー密度はジェット燃料の30分の1だとか。

つまり、同じエネルギーを得るためにはジェット燃料の30倍の容積が必要となります。

 

既存の大型ジェット機の場合、離陸時の積載燃料は実にその時点での重量の半分近くを占めるそうです。

その燃料で、ジェット機は最高1万5000kmの距離を600人の乗客乗員と多くの貨物を載せて飛行できるわけですが、電気飛行機ではバッテリーを同様に積んでもせいぜい2000㎞しか飛べないそうです。(この数値も良すぎるように感じますが)

 

このようなバッテリー性能の状況打破のためにはいろいろな研究開発が行われていますが、「リチウム空気バッテリー」というものが実用化されれば相当な改善ができるとか。

しかし、まだこの技術は初歩的な実験段階でいつ実用化されるかも見当もつかないようです。

 

そんなわけですので、「空飛ぶクルマ」なんていうものは、子供騙しのおもちゃということで間違いないでしょう。