日本の食料自給率は低いということは時折問題視されますが、すぐに忘れられます。
しかし、最悪の事態が発生すれば食料の貿易が滞る危険性があるということが、ウクライナ戦争で分かってきました。
もしもさらに大きな事態が起きればその時は食料をはじめとしてすべての物流が停止、それが長引けば日本人の7割以上が餓死するという話です。
こういった内容の本を東大教授の鈴木宣弘教授が出版しました。
ウクライナ戦争では主要な穀物輸出国であるウクライナからの輸出が止まり、さらにロシアの穀物輸出も禁輸措置により止まったことで世界の穀物需要が満たされなくなりました。
しかし、この先も何が起こるか分からない情勢です。
著者が特に危険と挙げているのが、部分的な核戦争です。
世界を巻き込む全面核戦争はまだ可能性は薄いでしょうが、地域的に数発の核爆弾を爆発させるような部分的核戦争は十分にあり得ます。
その場合でも世界的な食料流通が滞ることは考えられます。
さらにその核爆発により大気中に微粉が撒き散らされ核の冬という状態になれば数年間は低温化が起きて食料生産がガタ落ちとなり、食料供給が落ちれば食料貿易がストップするということにもなり兼ねません。
こういった事態はコロナウイルス以外の別の病原体による世界的パンデミックでも起きかねません。
そういった食料流通の停滞が起きれば、「金さえあれば食料は買える」ということが崩壊し、日本で作っている食料だけで食いつなげねばならない。
ということで、自給率3割であれば残りの7割は食べるものが無くなるということになります。
常に貿易が機能するとは言えないということは、今のウクライナ情勢を見ればよく分かります。
その時に食べるものが無くなる。その危険性は非常に大きいものと思います。
そうなってからでは間に合いません。
遊休農地などといって太陽光発電パネルなどを並べていてはいけないのでしょう。