ツイッターで松永和紀さんが引用していたことで気づきましたが、三幸貿易という食料輸入業の会社で仕事をしていると思われる方が「食料自給率」について書いていました。
農水省が盛んに発信しているために食料自給率は大変なことになっているということが広まっていますが、食糧輸入に携わっている方々は非常に重要な仕事をしているにもかかわらず、何か肩身の狭いような思いをされているのかもしれません。
しかしその「食料自給率」には色々な側面があり、そこをよく見ていくと必ずしもどんどんと自給率を上げていくということが簡単な事ではないということです。
もちろん、現在でも危険な側面がありこのままではまずいという点もあるのでしょうが。
まず問題なのは「カロリーベース」か「生産額ベース」かという点ですね。
盛んに言われている数字は「カロリーベース」であり、大量に輸入されていますが値段は安い加工用の大豆や小麦、飼料用のトウモロコシなどが多いために低いものになっています。
高価格の野菜や果物などは国産が多いのでこちらを基に計算する生産額ベースでは自給率が60%以上となるのですが、それはあまり注目されることが少ないようです。
次に本題である「なぜ自給率を上げなければならないか」について語られています。
上記のような高カロリー農産物を本当に日本国内で生産することがよいのかどうか。
そのためには相当数の人々を農業に転職させる必要があり、その分だけ他の産業から労働力を移動させる必要があります。
ただでも競争力が低い怖れがあるのにさらに弱くするとどうなるか。
またそうやって国内生産を増やしても天候不順や天災で急激に収量が減少することは多いのですが、その時に急に足りない分を買おうとしても難しくなるというのは、輸入のバイヤーさんらしい現実的な視点かと思います。
現在のロシアが「エネルギーで揺さぶりをかけている」からなるべく他国に依存しないようにしなければならないと言われますが、それに対しても「依存があるから全面戦争にならない」と書かれています。
これも真実が含まれています。
重要な資源を依存していればそこを抑えられるのは国の根幹にかかわると感じますが、実際にはそれだからこそ最後の一線は越えないとも言えるのかもしれません。
ブログの方はさらに続くようですが、字数が長くなり過ぎで「続く」になってしまいました。
しかし、なかなか考えるべきことをはっきりと示してくれているようです。
面白い文章を見せて頂きました。